今回は実業家Mさんにアメリカ人のD君を紹介する話です。
前回、Mさんが日本の旅行代理店に勤める外国人の方々に手作りの教科書で印鑑を海外からのインバウンド旅行者向けに販売していく努力をされた話をしましたね。
何も単なるアイデアだけでこのトライをしたわけではありません。
彼には1つ大きな成功体験がありました。 それは有名なサッカーのクラブチームのレアルマドリードのメンバーが来日した際、手土産にプレーヤー一人一人の名前を漢字にした印鑑を渡して好評を博したことでした。
日本に彼らを招聘したスポンサーからの相談を受けてMさんが対応したもので、ベッカムやロナウドといった有名プレーヤーの発音に近い漢字を自ら選び、デザインして印鑑に仕立て、朱肉と共に届けたわけです。
選手たちは大いに喜んだそうですが、一方でなぜ朱肉(朱色)を使うのかと選手がスポンサー経由尋ねてきたので「それは(諸説あるが、1つは)サムライの血判状、即ち血の色を表し、血判を押すことと同等の約束の重みを表すため」と説明したところ、選手らは大いに納得したそうです。
ということでそれなりの地位にある外国人は自分の名前を漢字にすることへの興味、好奇心を示すと共に、印鑑の美的・歴史的価値を認めるとMさんは感じたわけです。
とはいえ、極めて事業センスの鋭いMさんは、日本に来る外国人旅行者が、忙しい旅程の中で定番の日本土産とは別に、印鑑にわざわざ注意を向ける余裕がまだないと気づきます。
そこでMさんは方針を変え、実店舗や現物展示を中心に考えるのでなく、名前を漢字にする面白さ、印鑑の美しさや歴史をインターネット上で、英文で情報発信することで海外の人々に訴求し、オンラインで輸出販売をしていこうと考えました。
その相談を受けた私がこのインターネットのオンラインショップづくりのパートナーとして白羽の矢を立てたのがD君です。 彼はアメリカの西海岸カリフォルニア州の州都サクラメントに住んでいますが、もともと日本に興味を持ち、早稲田大学の国際教養学部での留学経験があります。従い日本語も上手です。 日本の歴史・文化に強い関心を抱き、卒業後も時間があれば来日して彼にとっての「日本文化」が感じられる地方を旅してまわります。 あるときは四国お遍路めぐりを自転車で、かなり短期間で回り、全88か所の納経所の納経印を取り付けた納経帳を持っていました。またあるときは、屋久島の樹齢数千年というスギに抱きつきに行ったりしていました。 彼が日本のヨーヨーの海外向けオンラインショップの構築を手助けしたことを知っていたので、この印鑑の海外向けオンラインショップについてD君がどう思うか尋ねてみようと思ったのでした。
続く