低位安定で苦しめられているリーガルの皮革はニッピ製であることを知り、興味を持ちました
ニッピ株式のPER PBRはBtoBということもあり、知名度のあるリーガルよりも状況は悲惨です
業績が良いので、もう少し配当を上げれば良いのにと思いますが、長期保有を目的に調べてみました
【沿革】
明治40年 3社により東京都足立区に設立
大正9年 東京クローム皮革工場新設、クロームによる鞣製事業を開始
昭和11年 ゼラチン製造事業へ進出
昭和45年 静岡県富士宮市にコラーゲン・ケーシング工場新設
昭和60年 リンカー事業開始
昭和63年 医薬品、食品用ペプタイド製造開始
平成16年 株式上場
平成22年 東京都足立区に新本社ビル竣工
平成28年 富士宮市にコラーゲン・ケーシング第2工場完成
【事業内容】
・コラーゲン・ケーシング事業:牛の生皮からコラーゲン原液を抽出して、ソーセージの皮を製造、世界最大手4社のうち1社という確固たる地位を構築
・ゼラチン関連事業:牛、豚、魚等を原料としてゼラチンを製造 食品用、医薬用、工業用と様々な分野で利用
・化粧品関連事業:健康食品用コラーゲンを製造し、スキンケアクリームと外部で調合し、通信販売で販売
・皮革関連事業:国内外より靴用革、自動車用革を購入し販売
・賃貸・不動産事業:東京都足立区、大阪市浪速区を中心に事業を展開
・食品その他事業
【業績】
業績 |
売上高 |
当期利益 |
一株益 |
一株配 |
連15.3 |
42,620 |
1,037 |
72.1 |
10 |
連16.3 |
42,047 |
1,144 |
79.5 |
10 |
連17.3 |
38,976 |
1,894 |
131.7 |
12特 |
売上高は370-430億円で年度により増減があります
赤字期はなく、利益率も非常に良いです
【セグメント】
コラーゲン・ ケーシング |
ゼラ チン |
化粧品 |
|
売上高 |
8,546 |
8,551 |
3,479 |
利益 |
764 |
1,142 |
84 |
皮革 |
賃貸・ 不動産 |
食品 その他 |
計 |
9,508 |
2,784 |
8,142 |
41,013 |
301 |
1,429 |
162 |
3,884 |
コラーゲン・ケーシングは前年度と比べ1/2程度の利益に減少しています
コラーゲン・ケーシング、ゼラチン、化粧品、皮革と皮を余すとこなく、使用しているとこに感動を覚えます
ニッピのお陰で牛さんも成仏できると思います
【財務諸表】
① 資産
・現金預金43億円(7%)
・商品及び半製品70億円(11%)
・有形固定資産389億円(60%)
土地が275億円と大半を占めており、足立区と浪速区の土地が関係して良そうです
土地は再評価差額金から推測するに土地のうち47%は時価上昇によるもので、売却により巨額の利益が出ます
② 負債
・有利子負債198億円(30%)
・再評価に係る繰延税金負債40億円(6%)
③ 純資産
・自己資本比率40%
・配当性向9%
・利益剰余金103億円(16%)
・土地再評価差額金89億円(14%)
④ 損益計算
・売上総利益率24%
・当期純利益率5%
・支払利息208百万円
⑤ キャッシュフロー
・投資額(百万円)
科目 |
前期 |
当期 |
減価償却費 |
1,252 |
1,482 |
固定資産に対する支出 |
2,950 |
1,761 |
2期とも設備投資が減価償却を上回っています
棚卸資産が▲14億円と資産が増加しているところが気になります
【トピック】
① 大株主の状況
・リーガル 14%
・大成建設 8%
・日本トラスティ・サービス 5%
・中央建物 4%
・東京建物 4%
ニッピはリーガルの株式13億円(14%分)保有しており、相互保有しています
ゼネコン、不動産会社がニッピの株式を保有していることは気になります
② 研究開発活動(103百万円)
コラーゲン、ゼラチン、ラミニンに代表される細胞外マトリックスを対象として、生化学、分子生物学、細胞生物学、栄養学、生理学等の基礎研究及び再生医療分野向けの応用開発を実施
大阪大学、京都大学と共同研究でiPS細胞を研究したり、医療用コラーゲンを研究したり、狂牛病の検査キットを開発したり、移植医療への応用のための研究開発を行ったりしています
非常に先進的な研究をしています
③ 千住大橋駅周辺地区まちづくり開発計画
足立区に10,213㎡の賃貸・不動産用の土地を保有
足立区が進める上位計画との整合を図りながら、行政、事業者、地域住民が推進
隅田川千住大橋地区スーパー堤防(千住隅田川テラス)並びに都市計画道路は整備完了、マンションは3街区で竣工、千住大橋さくら公園開園、地域密着型商業施設開業と着実に街の進展を見せています
大阪市浪速区難波(8,915㎡)も暫定駐車場ですが、活用次第で継続的な安定収益が見込めそうです
【株価 購入価額】
4,250円(2017.11.11)
1.18%(11/10) 配当利回り(会社予想)
50.00(2018/03)1株配当(会社予想)
(連) 10.19倍(11/10) PER(会社予想)
(連) 0.44倍(11/10) PBR(実績)
(連) 417.11(2018/03)EPS(会社予想)
(連) 9,633.47(2017/03)BPS(実績)
直近5期の平均EPSが452円なので、進行期の見通しは強くありません
コラーゲン、ゼラチンは医療分野でも伸びが期待でき、人口減少の日本においても成長の余地があると思います
牛・豚を無駄にすることなくすべて使い切るビジネスモデルに非常に魅力を感じます
保有している不動産資産活用も非常にポテンシャルを秘めていると思います
そこで、PER14倍、PBR0.7倍、ネームバリュー▲20%、不動産ポテンシャル+10%となる
452×14倍=6,328
9,633×0.7倍=6,743円
6,535×0.8×1.1=5,751円
5,750円より圧倒的に安いので、今すぐにでも購入したいですが、現金余力がありません
他の株を売却して購入を検討しようと思います
以上