あまり知られていない干支と十二支の違い

「干支」と「十二支」が、同じ意味だと思っている方は多いようです。来年2022年は寅年ですが、本来の干支でいうと壬寅(みずのえとら)。寅年であること以外にも込められた意味があります。

ここでは干支と十二支の違いと意味、壬寅が何を意味するのかを解説します。年賀状に取り掛かる前知識として、しっかり覚えておきましょう。

干支は「十干」と「十二支」の組み合わせ

「十二支」はご存知の通り、子(ね:ねずみ)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う:うさぎ)、辰(たつ)、巳(み:へび)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い:いのしし)と、その年を12種類の動物になぞらえたもので、年の他にも時刻や方角を表すことがあります。

この十二支が「干支」の意味で用いられることがありますが、干支とは本来「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を略した呼び名で、「十干(じっかん)」と十二支を組み合わせたものです。

「十干」とは、甲(こう:きのえ)、乙(おつ:きのと)、丙(へい:ひのえ)、丁(てい:ひのと)、戊(ぼ:つちのえ)、己(き:つちのと)、庚(こう:かのえ)、辛(しん:かのと)、壬(じん:みずのえ)、癸(き:みずのと)の総称で、もとは1から10までものを数えるための言葉です。

2021年は十二支でいうと「丑年」ですが、十干でいうと第8位を表す「辛」の年。干支はこれらを組み合わせた「辛丑(かのとうし)」でした。つまり、2022年は十二支でいうと「寅年」、十干では「壬」となり干支は「壬寅(みずのえとら)となるのです。

来年2022年の壬寅の干支でいう意味

十二支や十干は数や方角だけでなく、それぞれ独自の意味を持っています。例えば「壬」が持つのは第9位の他、女性のお腹に子供を宿す「妊」の一部であることから「はらむ」「生まれる」という意味です。「寅」はもともと「演」が由来といわれ「人の前に立つ」、演と同じ読みの「延(えん)」から「延ばす・成長する」という意味を持っています。

この2つの組み合わせである壬寅には、「新しく立ち上がること」や「生まれたものが成長すること」といった縁起のよさを表しているといえそうです。

過去、寅年にはこんなことがあった

最近では2010年、1998年、1986年が寅年にあたります。起こった出来事を抜粋すると次の通りです。

2010年:民主党政権下で菅直人総理が誕生・小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに帰還し小惑星「イトカワ」の微粒子の回収に成功・円高で6年半ぶりに日銀が市場介入しゼロ金利が復活

1998年:Windows98発売・サッカーワールドカップフランス大会に日本初出場・横浜ベイスターズが38年ぶり日本一

1986年:男女雇用機会均等法が施行・ファミコンソフト「ドラゴンクエスト」発売・土井たか子議員が日本社会党委員長に就任し日本の主要政党で初の女性党首に

新しい発想の製品やサービスが生まれ、初めての出来事も多く起こっています。どれにも寅年の「芽吹いたものが成長する、目立つ」という傾向が反映されているといえそうです。

寅年は「成長」や「始まり」の年

2021年は前年から続いて、新型コロナウイルスの感染拡大が私たちの生活に大きな影響を与え、廃業を余儀なくされた店舗ややむなく退職した方もたくさん存在しました。しかし、一方で飲食配送の「ウーバーイーツ」といった新しい業態の利用が拡大しています。

来年2022年の寅年は、これらの新しい芽が「成長する」、新しい日常が「始まる」年になって欲しいものです。年賀状にはそんな気持ちを込めるのもよいでしょう。

寅年生まれの特徴

寅年生まれの有名人には、大御所のお笑い芸人や若手女優、バラエティ番組に引っ張りだこの女性タレントなど個性が強い方がたくさんいます。

一般に寅年生まれにみられるのは、次のような特徴です。
1.強い信念を持っている=成功するまであきらめない意志
2.情熱的でロマンティスト=熱意があり人を巻き込むムードメーカー
3.完璧主義でチャレンジ精神旺盛=冷静さに欠ける面がある
4.単独行動を好む=1人だけで思い悩みがち

2022年は寅年!壬寅(みずえのとら)!

2022年は寅年だけど、正確な干支は「壬寅(みずえのとら)」って呼ぶよ。

なぜ、寅年ではなく壬寅と呼ぶのか、壬寅の寅ってどんな年になるのか、確認してみよう!

そもそも壬寅(みずえのとら)ってなに?

壬寅は干支を数えたときに39番目にあたる年だよ。

干支と言えば「子年」や「丑年」といった数え方をイメージする人も多いはず。

でも、この「子年」や「丑年」は正確には「十二支(じゅうにし)」といって、正しい干支の数え方ではないんだって。

正しい干支の数え方を知るために、まずは干支の仕組みを紹介するよ!

干支とは「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」と呼ばれる中国の古い思想をベースに「十干(じっかん)」と「十二支」が組み合わさった暦のことを言うよ。

十干は日を10日のまとまりで数える呼び名だったそうだよ。

10日で「一旬(いちじゅん)」と呼ばれていて、3つの旬(上旬、中旬、下旬)で1ヶ月ということなんだね。

十干(読み方)
甲(きのえ)
乙(きのと)
丙(ひのえ)
丁(ひのと)
戊(つちのえ)
己(つちのと)
庚(かのえ)
辛(かのと)
壬(みずのえ)
癸(みずのと)
さらに、十二支も数の数え方の1つで、12ヶ月を12種類の動物に当てはめて数えたものだよ。

干支の数え方はこの十干と十二支を組み合わせて、「甲子」「乙丑」「丙寅」…というように60通りもあるらしい!

2022年は十干が9番目、十二支が3番目にあたる年で「壬寅」になるそうだよ~。

壬寅はどんな1年になる?

壬寅は厳しい冬を乗り越え、新しいステージに向かう準備段階にあたる年と言われているよ。

その理由は、壬と寅のそれぞれの意味からきているんだって。

まず、壬は「妊」に通じることから「エネルギーを蓄える」といった意味を持つよ。

また、十干で9番目にあたることから「次の周期の準備期間」、陰陽五行説では水の陽にあたり「厳冬」や「沈滞」を表しているんだって。

次に、寅は「螾(みみず)」に通じていて、作物の実りを助けるミミズが土の中を動くイメージから「新しく動き始めた段階」という意味があるよ。

また、干支でいえば3番目にあたり周期の始めなので「誕生」を、陰陽五行説では木の陽に属していることから「大きな成長」を表しているんだとか。

このことから、2022年はいよいよ厳しい冬を超えて新たな成長に向けて動き出す段階に入る1年になるということなんだね~。