先月22日の東京マラソンで急性心筋梗塞による心室細動で倒れ、都内の病院に緊急入院し、3日に退院したばかりのお笑いタレント、松村邦洋(41)が5日、TBS系「アッコにおまかせ」に出演し、元気な姿を見せた。

 番組では自動体外式除細動器(AED)を使って実際に松村の応急処置にあたった医療救護スタッフの男性2人が登場し松村とがっちりと握手を交わした。男性は松村が倒れてから1分ほどで現場に到着したといい「脈がなく、心肺停止状態で全身の力が抜けていた」と当時の緊迫した状況を説明。心肺停止状態から1分経過ごとに蘇生する可能性が7~10%低下するといい、スタッフの迅速な蘇生措置が松村の命を救った。復帰の松村にはモデルの蛯原友里(29)や安倍元首相から祝福のコメントが寄せられた。



 3月22日、東京マラソンのレース中に心筋梗塞(こうそく)で倒れ、都内の病院に緊急入院したタレント、松村邦洋(41)が3日、退院し、都内で会見を行った。 石原慎太郎都知事(76)は3日の定例会見で、「まっちゃん、本当に危なかった。助かってほっとした」と気遣う一方で、「あんなデブは出ない方がいいんだ。人騒がせだ」と苦言も呈した。知事は、松村に「無理だ」と忠告したことを明らかにした上で「昨年完走できなかったので、15キロ減量したそうだが、あんな太った人で走った人はいないんじゃないか」と話した。




無数のフラッシュに照らされ、松村のほおが紅潮していく。体重は104キロから99.7キロに減ったが、顔色は入院前と変わらない。会見の冒頭、神妙な表情で深々と頭を下げた。

 「こうして、生きて帰ってこられたことが不思議なくらいです。今回をきっかけに、デブタレントを卒業させていただきたい。芸能の寿命より、本当の寿命が恋しくなりました。1度死んだつもりで、ゼロから一生懸命、どんな仕事も頑張っていきます」

 所信表明では少しだけ声を詰まらせた。また、意識不明に陥った瞬間を「ガードレールに足を乗せて柔軟運動している最中、『あ~これはダメだぁ』と思ったまま、気が付いたらベッドの上でした」と振り返った。

 一時は心肺が停止した。病院で完全に意識が戻ったのは25日。海を越えた米国で侍ジャパンが連覇を達成していた。担当医から「うれしい知らせがあります。WBCで日本が世界一になりました」と声を掛けられ、目を覚ましたという。

 3度の飯と同じくらい、野球を愛する松村らしい“蘇生”だった。28日にはセンバツで地元・山口の南陽工が強豪PL学園を破った。病室でテレビ観戦し、「うれしくて、すっかり体調がよくなった気がしました」と満面の笑みだ。まさに、驚異的な回復のキーワードは「野球」だった。

 入院中はプロ野球の開幕戦が気になった。「病室のテレビは(阪神戦を中継する)スカパーが映らないので、土日に退院すると開幕戦が見られない。(熱狂的ファンの)金本選手の誕生日でもあるので、この日に退院したかったんです」。この言葉にこたえるように、球界のアニキは先制打に本塁打と大活躍。自らの誕生日とともに、松村の退院を祝ってみせた。

 松村は「阪神ファンの人生は3回優勝を見たら終わるといいますけど、4、5回見たいなと思います」。金本の闘魂を注入された不屈の“虎党精神”で、早期復帰を実現したのだ。今後は体力の回復を見ながら、徐々に仕事へ本格復帰する。阪神の優勝を願いながら。