福生山・自性院・櫟野寺

参拝日 令和2年6月19日

御本尊   十一面観音菩薩坐像 (国重文)

開基     伝・坂上田村麻呂 /伝・最澄

宗派     天台宗

創建     伝・延暦11年 (792年)

住所

    〒528-0206

        滋賀県甲賀市櫟野町1377

             ☎ 0748-88-3890

 

 櫟野寺の御本尊は人々から「いちいの観音」と呼ばれている十一面観世音菩薩様であるが、お寺に祀られた中で、最も位の高い仏さまが御本尊と呼ばれるのが一般的。薬師如来様が御本尊であるはずなのだが。

 仏の世界にも序列があり、最上階から「如来」→「菩薩」→「明王」→「天」のピラミッド型の組織となっている。櫟野寺の中で最も位の高い仏さまは「薬師如来」であるが、如来の一つ下に位置する「十一面観音菩薩」が御本尊という、稀なケースである。

 なんでも、元々から櫟野寺の御本尊は十一面観音だったのだが、櫟野寺の末寺のひとつが廃寺となり、そこに祀られていた薬師如来を引き取ることになったとのこと。

 今回の参拝は「甲賀三大佛」の巡拝が主目的だったので、薬師如来様の御朱印を戴いてきた。

 

 御本尊の十一面観音様は厨子の中で、固く扉が締められていた。秘仏であり、33年に一度の御開帳だったが、春と秋に御開帳されるとのこと。丈六坐像(2.4m)の仏さまで光背を含めると有に3mを超えるのだから、厨子も巨大なものである。

 

   

宝物殿・写真NG

薬師如来さまのお姿はネットからの転載

 

 新型コロナウイルスによる全国的な「緊急事態宣言」が解除されたばっかりだったので、参拝に訪れる人も少なくゆっくりと、甲賀大佛(薬師如来)をはじめとする多くの仏さまを拝観することができた。

 

 

櫟野寺本堂 この奥に宝仏殿がある。

 

本堂と相撲場

 

 境内には何故か相撲場が。神社ではよく見かける光景だが、寺院では珍しい。

 毎秋、ここで奉納相撲が行われるているが、その起源は鈴鹿山の鬼退治だと伝えられている。

 平安時代初頭、鬼滅隊の柱・坂上田村麻呂が櫟野寺で戦勝祈願し、無事、鬼たちを討伐することができた。

 田村麻呂は戦勝のお礼にと、再び訪れ、家来に命じ相撲を奉納したのが始まりとされている。

 

参道には多くの仏さま。

信仰の深さをうかがい知ることができる。

 

次は十楽寺へ