(甲賀三大佛バンプ)

 

 私の心の中に過去に参拝した寺院で、もう一度訪れなければいけない、と思っているお寺があった。

 西国一番札所の青岸渡寺(和歌山県・那智勝浦町)を巡拝したとき、妙法山・阿弥陀寺を御参りさせてもらった。しかしながら早朝だったこともあり、御朱印を戴くことができず、また境内を撮った写真も自分の不注意で消去してしまいし、無念の思いが強くなるばかりであった。

 昨年6月(令和2年6月)、全国に出されていた新型コロナウィルスによる「緊急事態宣言」が解除される日から、阿弥陀寺を再び参拝する計画を立てた。

 

 滋賀県甲賀市~三重県鳥羽市(宿泊)~和歌山県那智勝浦町(宿泊)~和歌山県高野町(宿泊)~自宅の日程で、3泊4日の紀伊半島半周の計画を立てた。

 滋賀県甲賀市は忍者の里であり、狸の置物で知られている信楽焼きの里でもある。そんな甲賀市に「櫟野寺」という古刹があるのを知ったのは、2016年12月に東京を訪れたとき列車の出発までの待ち時間があったので、上野の東京国立博物館で開催されていた特別展、「平安秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」(2016年9月13日~2017年1月9日)を鑑賞したときだった。

 国指定重要文化財で、5mを超える櫟野寺の御本尊・十一面観音菩薩坐像(本来は秘仏)や、いずも国重文の仏さま20体が東京・上野に出向されていた。当時、櫟野寺では本堂の大改修工事が行われていたこともあり、国立博物館での特別出陳となったらしい。

 

(甲賀市に到着し、まずは信楽駅前の大タヌキに御挨拶。御タヌキ様もしっかり感染対策)

 

  甲賀三大佛とは、

 「いちいの観音櫟野寺」の櫟野寺(らくやじ)・薬師如来坐像(別称・いちいの観音)

 「蓬莱庭園の大池寺」の大池寺(だいちじ)・釈迦如来坐像

 「麻耶夫人の十楽寺」の十楽寺(じゅうらくじ)・阿弥陀如来坐像

であり、いずれも丈六(2.4m以上)の仏さまである。

 

 私の諸寺巡拝の初日は、甲賀三大佛を拝観することに決めたのである。