石川県白山市瀬戸地区にある道の駅・「瀬女(せな)」に隣接する休耕地に、今年からフジバカマや季節の花が植えられた。
その目的は、初夏から秋にかけて飛来するアサギマダラ(浅葱斑)の「渡りの途中の休息地」(空の駅)として整備された。
アサギマダラは翅の模様が鮮やかな大型の蝶で、成虫は5~6㎝ほどになる。
私が初めてアサギマダラを観たのは、数十年前に夏の上高地を訪れた時だった。ちょうど近くにビジターセンターの職員がおり、あれこれと質問させてもらい、アサギマダラが大規模な移動(渡り)をし、遠くは沖縄や台湾に移動していることが確認されており、「海を渡る蝶」とも呼ばれているらし。
日本全土から朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ山脈まで広く分布しており、分布域の中からいくつかの亜種に分かれる。
標高の高い山中に多く生息しており、平地で見かけることは少ない。白山山系の山中で生息していることは確認されていたが、麓の集落で観察できるのは珍しいことではなかろうか。
10月上旬には瀬戸地区のフジバカマや秋の花が枯れてしまうと、アサギマダラたちは南方への移動を開始する。
昨年、社会現象となった「鬼滅の刃」の柱の一人、胡蝶しのぶやその継子・栗花落カナヲの回りでは蝶が舞っているが、これらの蝶のモデルとなっているのが、アサギマダラではないかと巷で噂された。
「海を渡る蝶」を観察するために、カメラ片手に白山市瀬戸地区に向かった。
アサギマダラを採集し、マーキングするボランティア
手を差しのべても慌てて逃げない