いつから秋と思い知るのだろう・・・。

 いち早く秋をとらえ、秋を咲く萩に「秋知草(あきしりぐさ)」の名が与えられている。

 

 ことしの夏は静岡県浜松市で41.1度(同市天竜で40.9度)と異様なまでの高温が続き、人々を悩ませた。

 いや、異常すぎる暑さに困惑したのは人だけではあるまい。

 草木の方が人よりもずっと敏感に、季節の異常を嘆いたことだろう・・・。

 もののあわれは秋のみのことか。

 命にとっては、何もかもが深く身にしむあわれである。

 

 人の背丈を越して噴水のように盛り上がった枝が四方に垂れる。丸みを帯びた葉に多数の赤紫色の花。ちいさな花のひとつひとつは、いかにもマメ科らしい形だ。

 古来、日本の秋のこころとして数えきれないほど歌に詠まれ、絵巻物や蒔絵などに描かれてきた。

 

 山野に自生し、またその風趣を愛して庭に植えられる。

 

 いまだ咲き始めたばかりの萩を西の京界隈で撮ってみた。

 

 

 

 

 萩の控えめで細やかな美しさに加え、どことなく寂しげな風情が花言葉の「思案」、「内気」を生みだしたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数少ないけれど、白色の花を咲かせる萩もある。五行説によれば、秋は「白」。

 まさに秋を代表する白い萩ともいえる。

 

 

 

 白に朱が混ざった花で可愛く見える。

 

 

  噴水のように盛り上がったしなやか枝に、美しい花を見ることになるには今少し日数がかかりそうだ。

 

 

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