・・・卯月ばかりの若楓、すべて、よろずの花・紅葉にもまさりてめでたきもの・・・(「徒然草第百三十九段」)。
ようやくのびきった若葉、青葉の間を通って風が渡る。
なま温かく人の頬を愛撫した春風は・・・もう来ぬか。少年少女のような成長期の精気が若葉・青葉に宿っている。吹きくる風はそれらの体臭を含むようにも思われ、青く染まっているようにも感じられる。
強くきらめく陽の光。若緑の葉群れがさやさや・・・。風の通り道には光と影とが共に揺れ動く。青葉の香りか光の感覚か、あるいは、官能にもっともこころよい温度なのか・・・唐招提寺の若葉影を踏みながら歩んでみた。
波紋
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※ 「瓊花」特別公開中
唐招提寺では中国揚州の花で、かっては隋の皇帝・煬帝が大変お気にめされたために以来、門外不出となった名花「瓊花」の花が咲いて一般公開されている。
期間 4月23日から5月6日
ソロソロ見ごろではないかと思っております。
奈良へお越しの節はぜひ足を延ばして訪ねてください。