日能研と言えばなによりも「テストシステムが優秀である」と言われます。

 

基本的にはそのテストの結果によってクラスや席順の昇降が決まります。

 

実は「日能研は成績順に席順が決まっている」というのは、校舎やクラスによってバラバラです。基本的には最前列中央左側が1位、中央最前列右側が2位、1位の左側が3位、2位の右側が4位、と言う具合に誉れ高き1列目が構成されていきます。

 

この結果は本来テストのたびに入れ替わってもおかしくはないのですが、実際に1列目と2列目の実力差がとてつもなく大きくなっており、1位の子が大失敗して、翌週自分の席を確認してみたところ、2列目どころか3位だった、などということもあります。これは校舎やクラスによって大きく異なるわけです。みんな1列目に座りたい、ですが学年が上がっていくと、この席順と言うのは恐ろしいほど固定化されていき、実際には1列目は1列目の中でローテーション、程度の変更しか起こらなかったりするわけです。みんな相応の努力をしているわけですね。

 

ですが、校舎によってはランダムであったり、スタッフの一存であったり、あえて真逆にしてみたりと、実際には成績順ではないケースも多数あります。また席順が成績順になっているということを過剰に気にする方もいらっしゃるかもしれませんが、大人なんかよりも子供たちはよっぽどすんなりこの仕組みを受け入れて、時には楽しんで悔しがってすごしていくことになります。

 

小3は月1回、小4は月2回+α、小5後半からは毎週のように、という具合に、基本的には日能研ではテストテストの毎日!ということになります。

 

この塾の真に恐ろしいところは、天皇誕生日にも公開模試と呼ばれる全国公開テストをスケジューリングしてくるところです。結果は翌日の午後、つまりクリスマスイブに結果が判明するわけです。

 

今年から天皇誕生日はなくなるはずですので、テストスケジュールは変わると思いますが、わりと「いくらなんでもこのタイミングでこのテストやるかぁ?」ということも多くあった記憶があります。今となっては懐かしい記憶です。

 

日能研は復習型の塾である、ということになっていますが、もし毎週テストがあるときに、暗記系の科目である社会などや演習量がモノを言う算数などが週の後半に授業配置されていたりすると、もう復習するまもなくテストがやってくるということになります。よって、入った校舎でどのようなスケジュールで4科の授業がおこなわれているのかをしっかり把握して学習計画を立てることが重要なわけです。

 

小3のうちはマイファーストテスト(毎回受けてもマイファーストテスト)、小4からは育成テストと名前が変わります。毎週の学習単元についてのテストなのですが、定期的におこなわれる公開模試については「今まで習ったところ全部だよ」と言うことになっているため、必然的に学習範囲が広くなればなるほど難度は上昇していくとも言えるでしょうか。

 

この育成テスト、小6後期になると「合格力育成テスト」と「合格力実践テスト」が不定期交互におこなわれることになります。内容はほぼその週にやったこととは無関係であるため、ある意味小6後期からは毎週公開模試を受けているようなものである、ということになります。

 

以前の記事でも取り上げたとおり、日能研は所属クラスのカテゴリーが大きくは2つに分かれています。クラスのカテゴリーとしては基礎クラスのA(もちろんAの中にも階層がある)、応用クラスのM(もちろんMの中にも以下略)、そして各校舎のMのトップクラスを集めて構成されるTM(いわゆる日能研の中でもごく一部である特待生集団)の3つに分かれているのですが、テストのカテゴリーとしては学年を10000人に換算した場合、A7000人が受験する「基礎」とM2950人、TM50人(もっと少ないかも)が受験する「応用」に分かれているということです。

 

先ほども触れましたが、このテストの結果は日曜日に受験をした場合でも、翌日14時(学年により15時)には全結果が日能研のポータルサイトである「マイニチノウケン」で公開されます。

 

各科目の得点や平均点、評価、順位などのほか、採点された答案の画像データなどもすべて公開されます。その結果を見て打ちのめされているご家庭と、勇気を持ってプリントアウトの上で復習したご家庭で結果はやはり違ってくるのでしょうか・・・。

 

なお、日能研は公開模試では評価の基準が偏差値と順位ですが、普段のテストにおける評価は7段階の評価と順位ということになります。

 

この評価は日能研のテストにおける偏差値に代替される指標のようなもので、

ざっくりと申し上げますと、

評価10を最上位に、9・8・7・6・5・4、そして最低評価の3というふうになっています。ざっくりとした偏差値の基準ですと、評価10が偏差値70以上、評価9が偏差値65以上、評価8が偏差値60以上、評価7が偏差値55以上、評価6が偏差値50以上・・・と言う具合です。

 

応用であるMクラスの在籍基準は偏差値55以上ですので、テストでコンスタントに7以上をとっていないと基礎クラスに降格、ということも可能性としてはありえるわけですね。

 

日能研生のご家族でブログを書いている方でよく見かけますのが、

 

今回のテスト算数は8・8だったけど、国語で挽回したから4科は10・9だった!

 

というような数字の表現です。これは基礎受験か応用受験かでも異なるのですが、応用受験者であれば、「今回のテストで算数は共通問題で評価8・応用も評価8だったけど、国語の点数で挽回したから、4科目の総合判定としては共通が評価10・応用が評価9だった」ということになります。

 

さらっと評価10だの9だの書きましたが、評価10というのは10000人以上在籍する日能研において、上位100位以内にいる可能性が高いため、きわめて優秀なお子様でいらっしゃるということになります。評価9だった!残念!というのも、まあ客観的に見れば十分すごいです。

 

これらのテストは全成績が蓄積され、常時マイニチノウケンで閲覧可能です。どのくらいの成績をとっている子がどこに合格している、などというデータも閲覧できるので、志望校の検討には非常に役立つと言えるでしょう。

 

日能研は復習型のカリキュラムですので、テストに過剰な対策をしたり、1回ごとの結果を神経質に気にしてもしょうがない、しっかり復習することが大事!と誰もが言いますが、やはり毎回のテスト結果は気になりますし、結果が伴わなかったときは親も気持ちがズーンと落ち込んでしまうこともあるでしょう。これは各ご家庭の性分、によって大きく捉え方が異なるかもしれないですね。

 

なお、誰が言い出したのかは定かではありませんが、日能研の親によるブログで時折「ドボン」という用語を見かけることがありますが、これは言うまでもなく「テスト結果が予想に反して(予想通りに)大失敗だった」という切ない心情を擬音化したものです。

 

「算数ドボン」

 

せつないブログタイトルですが、なんとなくコミカルですよね(笑)