おはようございます。

予備校「英語」講師の西です。

 

今日は【生徒から質問が多い問題2】ということで、

 

長文を日本語で要約せよ(Part1)

 

 

を扱います。特に高2生くらいを対象とする素材文が1パラしかない場合について説明します。

 

(Part1)元の長文が1パラしかない場合

 

複数のパラグラフ(段落)がある場合は、各段落から重要な文を抜き出して日本語にまとめれば良いですが、1パラグラフしかない比較的短い文章の要約を書く場合のほうが、かなりのスキルが必要です。

 

 

【手順1】段落の構成について知る

 

まず、要約を日本語で書く前に、段落の構成について知る必要があります。つまり、段落の中にある「それぞれの文が担う役割」について理解しなければなりません。

要約とは「枝葉をそぎ落とし、幹だけを残す」ことです。そのため、「各文の役割が『枝葉』なのか、それとも、『(残すべき)幹』なのか」の判断をしなければなりません。

 

 

    

各文の役割

①主張

②言い換え

・専門家による引用

・具体例

・比喩

・何かとの比較

③一般論

 

まず、それぞれの文の役割は、大きく分けて3つあります。

 

①主張

②言い換え

③一般論

 

 

〈主張〉

当たり前ですが、筆者の言いたいことです。

主張の英文には、should(ought to)、must、It is important for A to ~、強調構文などなど、主張っぽい表現になっていることが多いです。

 

<言い換え>

筆者の主張を、読者に伝わりやすくするために、様々な言い換えがなされます。

・専門家の意見を出して、「ほら、専門家も言っているでしょ」

・自分の主張と真逆の情報を出して、「ほら、これと比べると私の意見は・・・」

・主張が抽象的ならば、分かりやすく伝えるために具体化する

・主張が抽象的ならば、分かりやすくするために比喩を用いる

 

〈一般論〉

一般論は筆者の主張ではありません。そのため、要点から外れます。

つまり、「多くの人はそう考えているけど(一般論)、でも、実際は・・・(主張)」です。

 

 

【手順2】段落内の文をいくつかのカタマリに分ける

 

複数のパラグラフがあれば楽なのですが、一つのパラグラフしかない文章を日本語で要約するには、そのパラグラフの中をいくつかに分類する必要があります。

 

 

(1文目)・・・(2文目)・・・(3文目)・・・(4文目)・・・・・・・・・・・

・・・・・・(5文目)・・・・・・・・・

(6文目)・・・・(7文目)・・・・

 

仮に、上記のように1つの段落のなかに7文あったとします。この7文をいくつかのカテゴリーに分類してください。

 

その分類の基準になるのが「変化」です。

 

 

【手順3】変化に敏感になる

 

「変化」とは何でしょうか。それは「時制」と「逆接」です。

英語の時制は、以下の通りです。

 

①過去完了

②過去

③現在完了

④現在

⑤未来完了

⑥未来

 

例えば、先ほどの7文が以下のようになっていたとします。

 

(1文目)・・過去・(2文目)・・過去・(3文目)・・過去完了・(4文目)・・過去完了・・・・・・・・

・・・・・・(5文目)・・現在・・・・・・

(6文目)・現在・(7文目)・現在

 

これで一目瞭然ですね。

 

(1文目・2文目)過去

(3文目・4文目)過去完了

(5文目~7文目)現在

 

これで要約ができる準備が整いました。

 

 

 

【最終】分類に従って要点をまとめる

 

 

分類すれば、それぞれの文から「主張」を探してください。そうすれば、要約は完成します。

 

(1文目・2文目)【過去】どちらが主張の文?

(3文目・4文目)【過去完了】どちらが主張の文?

(5文目~7文目)【現在】どれが主張の文?

 

あとは、先生にチェックしてもらいましょう!