おはようございます。
予備校「英語」講師の西です。
共通テスト(英語)が終わりましたね。
結果の分析は各予備校さんにお任せして、私は国公立志望の生徒向けの「自由英作文」についてお話します。
自由英作文の採点について
一般的には以下の3つの観点で採点されます。
⑴ 内容点
・与えられた問いに答えているか
⑵ 構成点
・結論、理由、具体例などが明確か
・単語数は適切か
⑶ 語彙・文法・語法点
・大学生になるにあたってふさわしい語彙や文法を用いているか
構成がめちゃくちゃな生徒が多い
自由英作文の添削をすると、構成がめちゃくちゃな生徒が多いです。本人はしっかり考えて書いているつもりですが、読み手には伝わらない。
つまり、相手に伝わるように書くというコミュニケーションスキルの不足が感じられます。普段から人前で発表したり、自分の考えを書いたりすることが
少ないのかもしれません。(もしくは、発表したり書いたりしたものに対する適切なフィードバックを受けていないのかもしれません。)
【改善例】
・理由が複数あるならば、先に、There are two reasons for this. と書く。
・抽象→具体の順に書く。
・ディスコースマーカーを挟む。
(例)for example, however, though, in other wordsなど。
常識にとらわれていないか?
某大学で「少子化問題は問題か?」という問いがありました。皆さんは、どう(日本語で)答えますか?
私が今まで添削してきた生徒は全員が次のようなストーリーを書きます。
「少子化は良くない。理由は2つある。1つ目は、日本の経済に悪影響を与えるからだ。子供の数が減ると、将来の働き手が減る。・・・」
このように考えること自体は悪くありません。しかし、採点者からすれば、「この子も同じ解答か・・・」と感じてしまいます。
余談ですが、私は以前、大阪のとある大学の入学者に対して入学前に課された小論文の採点をしていました。すると、同じようなことを書いている高校生がたくさんいました。
例えば、「大学生活を楽しみます」「大学での勉強は難しいから予習や復習を欠かしません」「遅刻しないように取り組みます」・・・。
他に書くことはないんかい❗️
つまり、書くことに「深み」であったり、「異なる視点」がなかったりします。大人でも、自己紹介させると前の人と似たような言葉で締めくくる人が多いです。悪くはないですが、面白くない。だから印象に残らない。
だから、「多くの人は少子化は良くないと考える。しかし、子供数が減ることによってもたらさせるメリットが2つある。1つは、高齢者への手厚いサポートだ。子育てにかかる費用を高齢者のために使えばよい。2つ目は、働き手が増えることだ。育児に時間をかけなくてもよくなる。教育費の負担も減り、その分、自由に使えるお金が増える・・・」という逆の発想で書けば、それだけ採点者(大学教授)の印象が良くなる。
普段から別の角度で物事を考え、自由な発想をしているならば、(本心はどうであれ)書きやすい解答を書けるようになる。
生成AIを活用しよう!
私は自由英作文の宿題を出すときに生徒に次の4点を行うように指示を出します。
⑴ まずは日本語で書くこと
⑵ 結論→理由1→補足説明→理由2→補足説明→反論者への目配り→反論者への反論→結論(1文目とは異なる表現で、未来への予測や提案を書く)
⑶ 生成AIに日本語で質問をしてみる(自分では思いつかなかった考えがあれば、取り入れられるならば取り入れる)
⑷ 英語で書く
次に大学生になることを踏まえた適切な語彙や文法を用いる
語彙や文法の誤りを防ぐために無難な(中学レベル)英語で書く生徒がいます。これが逆に点数の低下につながります。
そのため、私は普段から「他の表現はないか?」と聞きます。それぞれのニュアンスや使うシーンは微妙に異なるでしょうが、表現の幅が広がります。パラフレーズ(同じ表現を避けて、別の表現を使う)も意識するように伝えます。
(中学レベル)
Let’s play baseball.
Shall we play baseball?
How about playing baseball?
Why don’t you play baseball?
(高校レベル)
What do you say to playing baseball?
(中学レベル)
I like playing baseball.
(高校レベル)
I am fond of playing baseball.
(中学レベル)
Though he was young
(高校レベル)
Young as he was
(中学レベル)
explain
(高校レベル)
account for
(中学レベル)
about A
(高校レベル)
concerning A
regarding A
as to A
as for A