#神戸新聞 

#コラム連載

#たわごと時々ざれごと


(2023年9〜12月まで。月2回の4ヶ月

中年のぼやきを書かせていただきました)



その😳

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今回でラスト。第8回《ぼやき》 




短いのでサクッとどうぞ😊



 最近、家で夜中にナッツを食べ過ぎる。セーブしようと個包装を買い、何袋も食べ、結局大きな一袋ごと完食している。ボリボリと止まらない自分に「おい、冬眠するのか」とぼやく。気づくと声に出ている。

 


 外でもぼやく。ここ数年のマスク生活で口が隠れているという油断が加速を招いたように思う。

 


 先日。真っ平な道で、しっかり転んだ。突然バタン!と全身で地面にダイブした。たまにやる。恥ずかしさと、起き上がるのが面倒が入り混じり、ほんの数秒ジッとする。そして「もぉ~。行き倒れじゃないんだから、はい、さっさと立って」とマスクの中でブツブツ言い出す。服についた砂塵をパンパンと振り払いながら、「昔は地べたに着く前にもう少し回避出来ていたよ。やっぱり筋力?瞬発力の衰えってか?」と。そしてジンジンする手のひらや、破れてしまった生地穴から覗く膝を確認し「擦り傷程度でも痕が残る年頃なんだからぁ。気をつけてよ私~」とタラタラしている間に、通行人の方が散らばったバッグやスマホを拾ってくださっていて「大丈夫ですか?」と。膝?頭?どちらを心配してくれました?と心が卑屈。

 


 担当マネージャーさんにぼやきを聞いてもらうこともある。加齢、実家のこと、仕事のこと等々をここぞとばかりに垂れ流す。だいたいPCで作業中のところを話しかける。大概、鬱陶しい顔もせず、優しくあいづちを打ってくれて、聞いていない。器用だ。結果、私は大きな独り言を放つ人になる。

 


 家でも外でも人の前でも、ぼやく。この先、歳を重ねれば出来ないことも増える。もっとぼやくに違いない。ならば『ぼやき』は特技。これが私らしさ。…と勘違いしたほうが生きやすい。そして、特技を活かし新聞のコラムにて皆さんにお会い出来た。箸休めになっていたら幸いだ。

 


 中年の戯言にお付き合いいただきありがとうございました。