#神戸新聞
#コラム連載
#たわごと時々ざれごと
(2023年9〜12月まで。月2回の4ヶ月
中年のぼやきを書かせていただきました)
その😳
バックナンバーを公開
今回は第7回《小さな悩み》
(こちらは週1回、毎週金曜公開)
ゲゲゲ💦もう💦💦土曜でした💦😱😱
すみません😵💫🙇♀️
短いのでサクッとどうぞ🙇♀️↓
小さな悩みがある。
ペットボトルの蓋が硬くて開けられない。毎回ではない。3回に1度の割合。ここ数年徐々に。これも老いだろうか。
知人に開けてもらう。ただこれが男性の場合、私はおばさんになってまで、か弱いをアピールしたい訳ではないなどと思ってしまい、
「腕力や体力はあるんだよ。指だけ。でも足の指は強いよ。外反母趾だけどね。仕事で笑ってもらおうとしてスベッた時の親指の踏ん張り方なんて凄いよ。グッと立っていられるもん」と空回りし要らぬアピールをする。
そして「ありがとう」と水にありつき、ペットボトルの蓋ひとつ開けられないババアになったのかと、がっかりもする。我ながら面倒な中年だ。
蓋に輪ゴムや濡れタオルを巻くとか、人が見ていない時は奥歯で回すとか、1人で出来る。でも指で開けられないという指力だか握力だかの衰えが気になる。
何気なく母(認知症)に言ったら「バカね、片方の指だけだからよ。ボトル持ってるほうの手を逆に同時に捻じるのよ」と冷蔵庫から1本取り出して手本を見せてくれた。「こうやって」とギュッと捻ったら、泡がブシュ~っと溢れでた。炭酸だ。
そのままビチョビチョのボトルを掲げ「あ~あ~言わんこっちゃない。すみ!ぼうっとしない!泡が溢れ出る前にすぐキュッて閉める!やってみな。何事も鍛錬!年取ったら当たり前のことが、もっと出来なくなるよ。あんた独身で、婆さんになって、水あるのに水飲めないで孤独死かい?閉めるの!おならが止まらないと思ったら人前ではキュッと締める!トイレしたらお尻は自分でキュッと拭く!ほれ」と私に渡す。
…誰の何の悩みだい?母よ。惜しい、話のケツが締められなかったね。
老いて生きるは大変だ。まだ残っている精一杯の脳で、私の出来ないを心配してくれる。
小さな悩み、解決はしていないけれど、母のおかげで炭酸の泡と共に消えた。