私の数少ない男性の友人。
オシャレなテラス席でお茶。



優しい風と散りゆく桜の花びらに
癒されながら、友人の、いや、おじさんの悩みを聞く。



自分でいうのもなんだが、
人の悩みを解決出来た試しがない。
そこは隠して、聞く。



「娘が大きくなって、だんだん俺に似て、整形したいって言ったらどうしよう」と。




大きくなってから考えたらいいのではないか。



「一声かけてほしいなあ」と。



「相談するなら、母親じゃない?わかんないけど。」と言ったら、



「えー、俺に断りなしに?それはさあ
、考えなおそうよ~頼むよ~」



。。誰に。。しゃべっているセリフなのか。。




「あー、一生結婚してほしくないなあ。。でもなあ、そんなこと言ってたら、おまえみたいになっちゃうよなあ」



おい。ボコボコにしてやりたい。



友人の儚げな頭に、
ひらひらと薄ピンクの花びらが舞い降りた。



「。。可愛いことになってるよ。。ふふふ。おじさんの薄い髪の毛、ピンクのピンでパチンと留めましたみたいになってるよふふふふふふ」




「。。娘も、こんなしょうもないことで笑ってくれるかなあ。パパキモいって言われないかなあ、何歳くらいからパパってキモくなる?俺、いつからキモくなる?」と。



。。今。
ピン留めをとりなさい。。



ふと、
「桜ちゃん!」と言ってみた。



「え?」


「名前!可愛いくない?ちょっと思いついた」



「いやいやいや、適当につけるなよ。おまえ、、えー!赤の他人が!えー!?俺、めっちゃ考えてるんだから。おまえ、まだ産まれてもいないのになんなんだよ。引くわー」



後半のセリフ。
。。。こっちのセリフだ。



何度でも言ってやりたい。



。。。こっちのセリフだ。



後で、全部、奥さんに3倍くらいに盛って告げ口してやる。
そしてボコボコにしてもらおう。




全く、おじさんの悩みは解決出来なかったが、私でも、ひとつわかることがある。



良いパパになりそうだな。