若いお母さんが、小さな女の子を後ろに乗せた自転車。
信号待ちで、バランスを崩し倒れそうになるのを見かけた。




小さな頃の記憶がよぎった。





幼かった私を自転車に乗せた母は、結構な確率で横に転倒した。




その度に、
「もう、何やってるの~、ちゃんとしなさい」と砂とホコリがついた服を叩いてもらった。



「どっか打った?」と聞かれ、


「膝」と応えると、


母が膝に手をあてて
「痛いの痛いの飛んでいけ~」と。



あれで、飛んでいった私も私だったな。。



「頭」と応えた日は、



「えぇ!、、これ以上馬鹿になりませんように」と頭を撫でていた。



「全部痛い」と泣いた日は、



「お母さんも」と。。


そんな返しがあるのかと幼心に驚いた。



買い物袋の中の割れた生卵で、夕御飯は何を作ろうか話しながら、
二人で自転車を押して帰った。






現実に戻った。
目の前の親子を乗せた自転車は、
上手く体勢を立て直し去って行った。



よかった。




ちなみに、うちの母はひとりで自転車に乗っても危うい人である。。
「人や車の多いところでは自転車に乗らない」が
母の中のルールらしい。