「ミカエリス・メンテンの式」とは酵素の反応速度と気質の濃度との関係を以下の式で表したものである。

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グラフは以下のようになる。


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Km=[S]のとき、反応速度は1/2Vmaxになる。
よってKm値は反応速度が2分の1になる時の基質濃度を表している。
⇒Km値が低い=基質濃度が低くてもすぐに反応速度が上がっている=酵素と基質の親和性が高いことを表す。

このミカエリス・メンテンの式の逆数を取ってグラフにプロットしたものを、「ラインウィーバー・バークの逆数プロット」という。

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なぜこの逆数プロット(「ミカエリス・メンテンの式」の逆数を取ること)に意義があるのだろうか??
それは、「ミカエリス・メンテンの式のままだと反応速度がVmaxに近づけば近づくほどグラフが頭打ちになっているため、グラフから反応速度を読み取ることは難しい」からだ。

そこで、発想を変える。

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上記のグラフでは、「X軸の値(基質濃度)が無限大に近づけば、Y軸の値(反応速度)はVmaxに近づいていく」。
ここで逆数を取って考えると、以下のように言いかえることができる。
「1/Xが1/無限大に近づけば、1/Yの値は1/Vmaxに近づいていく」。
1/無限大=0であるため、さらに以下のように言いかえることができる。
「1/Xが0に近づけば、1/Yの値は1/Vmaxに近づいていく」。

これをグラフにしたものがラインウィーバー・バークの逆数プロットである。
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このグラフならばミカエリス・メンテンの式とは違ってグラフは直線性を持ち、グラフから正確な反応速度を測定することができる。
さらに競合阻害や非競合阻害など、酵素の阻害剤のメカニズムの研究にも応用することができる。