私たち人類に未曾有の被害を与えたコロナ禍は「旅行」とか「旅」の概念をガラッと変えた。
「ちょっとそこまで出かける」の意味さえもが変化した、人類史の転換点だったとも言える。
おじいちゃんおばあちゃん、親戚、友人にすら気軽に会えなかったコロナ禍。
そんな時こそ、心を伝える一つの方法が、離れた場所にいても「同じ本を読んで感想を交換」することだった。
フランス、中国、アメリカ、イギリスなど行きたい国はたくさんある。
現地には行けなくても、「本の中の世界」はコロナ禍においても旅行が自由だった。
同じ本を読んで感想を伝え合うことは、複数人での旅と同じ。
ちょうど本の内容が、目指す旅先と同じという感覚。
本があれば、
どこにいる時でも、思いを馳せる場所の、どこにでも思考を遊ばせられる。
憧れの人々の頭の中の言葉の宇宙にアクセスできる。
おしゃれ着を着るように、どんな好きな自分の趣向の考え方にもなれる。
そして、その読書の喜びを報告したい同好の士を見つけたら、この世の最高の幸せ。
私が、読書会の代表を務めていて良かったと思う理由は、このあたりにある。