おはようございます!
西尾で読書会。の宮子京(みやこ けい)です。
最近、急に冷え込んできたために、私は体調を崩しがちです。
皆さんは、お元気ですか?
さて、今回ご紹介する本は、
緒方高司『君がここにいるということ 小児科医と子どもたちの18の物語』草思社、2015年
です。この本は、著者である緒方医師が、臨床の場で出会った子どもたちとのかかわりあいのお話を中心に構成されています。
不治の病に体を蝕まれていく中で、人は自らが生きてきた人生の意味を考えます。
それは、大人も子どもも同じです。
子どもは、体の小さな哲学者です。
その小さな体から紡ぎだされる言葉は、ときとして私たち大人が想像しえないほど深遠な意味をもつものだったりします。
見方を変えれば、この本は、小児科医である緒方医師と、小さな哲学者である子どもたちのやりとりを通して生まれた、
珠玉の一冊とも表現できます。驚きを、たくさんもたらしてくれる一冊でした。
この本のあとがきには、次のような一文が載っています。
「また、この本を読んで、小児科に興味を持ち、小児科医になってくれる若い人が出てきてくれたら、これ以上の幸せはない。」
実は、私自身の小学生の時の夢が「医師になること」でした。
子どもの頃に、学校で叱られ、両親に叱られ、当時の友人にも叱られてしまった、ということが有ったときに、
「そんな君でもいいじゃないか。少なくとも僕は、いつでも君の味方だ。」
と、そっと声掛けしてくれる大人が身近に居てほしかったです。
だから、もしも今から生き直すチャンスが与えられるとしたら、私は発達障害を専門とする児童精神科医になる道を選びます。
「もしも~」の話は過去に囚われた話にすぎないので、ここまでにしておきましょう。
今から先の、私の生きていく目標は、
「自分自身が、子どもの頃に出会いたかった人物像の大人になる。」
というものです。たくさんの素敵な大人に支えられて、私は大人になりました。
自分も、これから先の時代を引き継いでいく子どもたちにとって魅力的な大人のうちの一人になりたいです。
日本には、まだまだ小児科医の数が全く足りていないという現実が有ります。
この本の中でも、小児科医の数が足りていないという現実と、その原因についての話が載っています。
今、医師を志している方々にも、ぜひとも読んでいただきたいと思います。
将来、医師になったあなたを待っている人が、この地球のどこかに必ずいます。
それでは、また次回!