おはようございます!

西尾で読書会。の宮子京(みやこ けい)です。

 

 

せっかくの三連休ですが、台風の接近に伴い天気が崩れる可能性があります。

こういうときこそ、不要不急の外出を避けて、まったりと読書生活を楽しむチャンスです!

 

 

さて、今日、私がご紹介したい一冊は、

 

安武信吾・千恵・はな『はなちゃんのみそ汁』文芸春秋、2012年

 

です。

 

 

この本の著者の安武信吾さんは、西日本新聞社の記者をされていた方。

 

私は、どこかでこの本のお話を耳にしたことが有りました。

 

先日、図書館の本棚でこの本に巡り合った時、「今、読みたい!」と思って手に取りました。

 

 

最愛の奥様をがんで亡くされるまでの一連の経緯を、「食(しょく)」に関する視点、子どもに向き合うときの心の持ち様という視点を交えつつ、やわらかな文体で緻密に描きだしている作品でした。タイトルにもある「みそ汁」が、お話の展開を語る上で欠かせない必須キーワードです。

 

 

病を抱えた方だからこそ語り得る、重みのある言葉があります。

病を抱えた方を支える立場の方だからこそ語り得る、心の葛藤。

 

 

そういった現実的に直結した情報を必要とするのは、同じ病気で苦しむ人たちも同じです。がんとの闘病記のブログを立ち上げられて、世の中に対して、千恵さんがご自身のがんについて赤裸々に発信を続けられたところを私も見習いたいと思います。

 

この本の中で最も感動した部分は、

 

 

「そして、この世に命を得た私たちは、その火を、自ら絶つことなく、精一杯生きなければいけない。

 

生まれてくることのできない人たちの分まで。

 

しっかりと、地に足をつけて。

 

歩まなければならない。(122頁より引用)」

 

でした。

 

私は、コミュニケーション面での困難があるだけで、命の火が今まさに消えようとしているという状況下には置かれていません。

それだけでも、十分に恵まれた状態に生きることができているという事実をもっと大切にしようと思いました。

自分の命も、他の方々の命も喜ばせられるような生き方が出来るように頑張ろうと思います。

食べるという行為の意味や生きるという天与のチャンスがとても愛おしくかけがえのないものに思えようにしてくれる素晴らしい一冊でした。

 

 

最期に、皆様と共有したい素敵な言葉をご紹介します。

 

 

「道に迷ったら情熱の傾く方向に進む」

 

 

という言葉です。この言葉は、この本の著者の一人である千恵さんがブログに書いていた言葉だそうです。

 

情熱が傾く方向というのは大好きなことに向き合えている証拠だと思います。

 

皆様が、もしも何かに対して迷った時には、そっと心の中で唱えてみると、自分が進むべき道が見えてくるかもしれません。

 

私も、今日からこの言葉とともに生活を送りたいと思います。

 

 

それでは、また次回!