こんばんは!ニシオde読書会。の宮子京(みやこ けい)です。
9月に入りましたが、全国の皆様、いかがお過ごしですか?
今回の記事では、秋の夜長を控えた今日のおススメの一冊をご紹介します!
さて、今日の一冊は、
ドリアン助川 訳・文『星の王子様からの贈り物 サン=テグジュペリの言葉』
です。
この本で紹介されているサン=テグジュペリは、フランスの飛行家で小説家という人物でした。
もともと空を活躍の舞台とされていた方だけあって、まるで地球上をその両目で俯瞰していたかのように、言葉の一つ一つが人間関係の本質を作品の中で鋭く描き出しています。
しかも今日から遡ること70~80年という時点で、『Le Petit Prince(邦訳:星の王子様)』という原著は出版されているので、いかに心の眼光が鋭い人物だったのかということに思い至ります。
サン=テグジュペリの観察眼も畏敬するに値すると思いますが、ドリアン助川さんの翻訳の技量も素晴らしいということは言うまでも有りません。
私は、一人前に物を書くのに必要とされる技量や考え方の話をこれまでに、いくつか見聞きしてきました。ある一時期に、
「小学校一年生が読んでも理解できるくらい簡潔な文章を目指そう。」
という考え方に傾倒していた時期が有ります。今の私は、この考え方を杓子定規に何でもかんでも当てはめて良いとは思いませんが、この本の感想を語る上では、記憶の引き出しからそっと引っ張り出したくなりました。
「難しい言葉を使うことによって本質をつかみ損ねず、平易なことばを使うことで本質を掬い取る。」
という素晴らしさに注目するのならば、この一冊が与えてくれる人間関係への気づきをこれから先の日常生活の中で確実に活かしていきたいと思います。
たとえば、発達障害のある身としての私の意見なのですが、子どもの頃にあまりにも抽象的すぎてわからなかった概念の一つ、
「友達とは、」
について、一点の曇りも残さないような場面描写があったところがとても良かったです。
広く遍く通ずる人間関係から友達という深い関係に至るまで、一本の物語として書き上げた
サン=テグジュペリの言葉には、並々ならぬ重みを感じました。
非常に文学性の高い作品の一つなので、
「読んでみてからの、お、た、の、し、み!」
という部分が多い作品です。
今年の秋を文化的に過ごしたいという方におススメしたい一冊です!
それでは、また次回!