高校生になろうとしていた春。
春霞で見通しの悪い東京の三月は、いつもと変わらないやんわりとした春でした。
私の初恋というか、初めてドキドキした男の人を前にして、何もできない私。
今となってみれば、何もできない自分に歯がゆくて、何もしなかった自分に後悔して・・・。
どうせ苦しむなら、気持ちを伝えて、思いっきり泣きたい。
でも、十五歳の私には、それができませんでした。
そんな単純なことができないの?
そう思われても仕方ないです。
本当に、自分の気持ちを一言で・・・好きと言えたなら。
私は今頃、全然違う土地で、全然違う人生を歩んでいたと思う。
人生には無限の可能性があると言うけれど、実際に選べるのは数通りの選択肢。
結局与えられた選択肢の中から、何もできずに選ばされていく人生。
それが私の人生なのかもしれません。
そんな私の切ない記憶に、五分間、お付き合いいただければと思います。
よろしければ、感想などいただけると、大変嬉しいです。
ショートノベル『君を感じる』はこちら
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