先日、アートマインドコーチングという
プログラムを開催しました。
これは、1枚の絵をじっくりと観察して
複数の参加者がそれぞれに感じたことや
思ったことを共有するというプログラム。
今回使った作品はルソーの「夢」という絵でした。
ルソーが想像力を駆使して描いた
幻想的な熱帯の風景が描かれています。
一目見ただけで
現実と夢が入り混じったような
不思議な感覚を覚えます。
今回もこの絵について
参加者一人ひとりがそれぞれに感じたことを
語ってくれました。
◆
ジャングルの中でソファに座る白人女性を見て、
自然の調和と対比して人間がそれを乱す象徴と捉える人
蛇のようなものがどこへ向かっているのかを
なぜ尾だけが見えて、顔が隠れているのか?
など絵の細部に焦点を当てる人
本当に人によって見ているところ
興味を持っているところが様々です。
最後にそれぞれの参加者の方に
感想を言っていただくのですが
自然と人間の対立について語った方は
「やっぱり自分はこういうふうに考えているんだ、と
再確認した」とおっしゃっていました。
それを聞いたときに
先日、ある講座で聞いた「人との違いから自分を理解する」
という話を思い出しました。
◆
誰かと話していて、ふと「ん?」と思ったり、
なんかもやもやっとしたり、
イラッとしたりしたことがないでしょうか。
そう感じた時には、「なんでそうなるの?」と
相手のことを理解しようとする前に、
いったん立ち止まって自分と対話してみます。
自分はなぜ相手と異なると感じたのか?
自分がどのように考えたのか?
を理解することのほうがが重要なのです。
自分の当たり前は他人と違う、と
私たちは無意識で自分の考えが当たり前だと思っています。
だから、他人の意見や行動が自分と違うと、
ネガティブな感情がわいてくるときもあります。
しかし、その時にこそ、いったん立ち止まって
いったい自分が何を大切にしているから
そのように感じたのか?
自分の内面を観察してみます。
そうやって自分との対話をすることで
自分がどのような人間か
あるがままの自分を理解し
自己理解に基づいて行動することが重要です。
というようなお話でした。
◆
アートマインドコーチングをやっていると
自分とあまりにもかけ離れた見方が
ぽんぽんと出てきます。
それによって、自分の根っこにある考え
が見えてくることがあります。
自分はなぜそう見ているのか?
自己との対話をするには
いいプログラムだなと改めて思ったのでした。