先週、小田原の近くにある
江之浦測候所に行ってきました。


現代アーティストの杉本博司さんが
10年以上の歳月をかけて作っておられる
広大なランドスケープアートで
今も次々と新しいものが作られています。


昨年秋にここを訪れた時に、あまりに感動したので
母にもこの風景を見てもらいたいと思って
今回は、母と一緒にきました。


山の斜面でアップダウンが激しいところは
足がちょっと不自由な母はさすがに行けませんでしたが
それでも山の上のエリアに点在した作品の数々
雄大な太平洋の姿、
あたり一面に真っ黄色になって咲いている菜の花、
たわわになっているみかん畑など
自然とアートが織りなす風景を充分楽しんでくれました。


入り口を入ってすぐにあるのは
海に向かって真っ直ぐに伸びる
「夏至光遥拝100メートルギャラリー」


ここには、杉本さんの代表作、海景という作品が
ズラリと並んでおり、その先に窓を通して
絵と同じような、雄大な太平洋の風景が広がります。


1年に1度、夏至の日には、
この回廊を通って朝日が差し込むように設計されています。


太陽を1つのモチーフにして、夏至、冬至、春分秋分それぞれの日に、
ちょうど窓を通して朝日が昇るのが見えるように
回廊や茶室などの建物が配置されています。


飾ってあるのは何万年も前の化石
飛鳥時代の石舞台、中世の石塔、茶室といった古いものと
杉本博司さんの作品が混ざり合って
広大な敷地内に点在しており
日本建築のテーマパークのようでもあり
何千年もの時の流れを感じさせてくれます。


今から5000年後には自分の作品も太古の作品になる。
5000年後の人が見た時に
5000年前にこういう人たちがいたんだと
我々の生きた時代に想いを巡らしてくれるようなものとして残したいと
何かのインタビューで語っておられたように思います。 


ここの風景はこれから5000年後にどうなっているんだろう?
その時にも変わらず夏至の太陽はあの回廊を通るんだろうか?
などと思いながら、ゆっくりした時間を過ごしました。


今の私には5000年先まで考えることができませんが
時々は、5年後10年後のことには思いを巡らすように
スケジュールに入れていきたいなと思いました。