その竹ちゃんは、隣の人と同名である。

苗字も年代も異なる。

あの武ちゃんは、十年位前にお空に旅立っているが、

寂しくはない。妻の静ちゃんも三年後に後を追ったからだ。

それに事件性はないが、竹ちゃんの場合は異なる。

警察沙汰にならなかっただけである。

今なら刑務所に入ることだろう。

 

そういう風に運のよい竹ちゃんは、毎日パーティ暮らしである。

だから気持ちも若い。

これからの未来を探索するわけもなく、その時はその時と考えている。

だから今日何人と話しても話さなくても世界は変わらない。

 

そういう男が街中で暮らしている。

気持ちは、山の中の一軒家である。

何人と話すか?

それほど難しい問題ではないと考えていたけれども、

年代が上になり、

友達と考える連中もいなくなる。

 

あーそういえば、あの時が青春だったのであると

回顧することは日常茶飯事になった。

 

竹ちゃんの記録から。