大崎城を目前にして江戸長久は、物寂しい思いに浸っていた。
何が悪いのでもない、誰が悪いのでもない。
どうして霧の大崎城が前にあり、解脱したわけでない僧侶がいるのか。
僧侶としての自覚はあっても、完全ではない学問の積み重ねは、お経だけではない。
三人ハイハイは男性ながら女性としての素質を持ち絡んできた。
女性として惹かれるのが礼儀かもしれないが、男性として理解してしまう。
これが自然と考えるのは、江戸長久が僧侶としての立脚地点かもしれない。
江戸長久を殺すのに刃物はいらない、雨の三日も降ればよい。
これは昔の仮定の話で、三日間の雨は地球温暖化のせいで起こりうる。
梅雨前線。これも曲者だ。
妖怪を倒すよりも、地球温暖化を何とかした方が、どれほどの人類を助けることができるかもしれない。
となれば敵は、地球の平穏か。そうだ、それに相違ない。
それにはまず、ロシアの民衆の革命を助けよう。
戦争は誰のためにしているのか。プーチンの思い通りにはさせない。
遠くから、そう地球のあらゆるところから僧侶たちが戦争終結を祈願しよう。
拙者は、目前の大崎城の影の中から、ロシアの戦争終焉を祈る。
般若波羅密多経。般若波羅密多経。
世の平安を求めさせたまえ。
そして世の多くのたまえちゃん、一緒に祈願しよう。
遠くから、この罰当たりという空耳が聞こえる。
刹那のことだが。