何も変わっていなかった。


がっかりして全身の力がぬけそうだった。

そんな僕の姿を見ていた〝アートさん〟はクスリと笑いながら、
「一か月後、図書ボランティアで〝切り紙フェア〟というイベントをするつもりなのだけど、図書委員さんたちにもお手伝いをお願いできるかな」と言った。

「…はぃ…」

素敵な体験がすぐにできなかったので、僕はしょんぼりと答えた。



あっという間に日が過ぎ、明日はいよいよ   〝切り紙フェア〟た。
図書ボランティアと図書委員が準備のために集まった。

きっちりさん、きれい好きさん、ラッキーさん、職人さん、アートさん、みんな来ている。ラッキーさん以外は全員、図書ボランティアだったのだ。

手にはいろいろな作品を持っている。

まるでレースのような模様の切り紙、飛び出す絵本風のメッセージカード、花や動物の形はもちろん、折り紙を組み合わせたこんぺいとうの形の立体物、モビールもある。

いつもは暗い図書室がかざりつけられて、体温があるみたいに明るい感じになった。

僕たち図書委員は、キャラクターの切り紙の見本を作り、横に並べた。

あとは明日を待つだけだ。