どこか他所に巣を作っても

たちまちのうちに壊されてしまうだろう。

せっかく
変わり者の私が仕切るこの家を選んでくれたのだ。

そのまま居て貰おうではないか。



こうして共存生活に突入した。




とはいえ、やはり得意ではないのだ(汗)


小心者の心配が始まった。


例えばバスタオルをパタパタ させると
攻撃だと誤解されないか…

赤地や黒い色の洗濯物は巣から離れた位置に干した方が良いのではないか…

色々と気になり出した。


とりあえず、居てもらおうと決めたので
改めてご挨拶。

けれど
ハァ…

なぜかため息。

「ここに住まはるんですよね。
あなた方を傷つける気はないんです。
よろしくお願いします」

女王蜂が逆さ向けに、ヨッ‼︎と顔文字みたいな頭を出した。





翌日、日曜日。


「おはようございます」

ふと見るといつもいるおともの助さん格さん二匹が巣の前側に張り付いていた。

心なしか羽を立てて威嚇しているような…

小さな白い卵が目に入り鳥肌がたった。

ア‥あかんわ…(汗)


成虫ではなく、卵と蛹と巣の艶めかしさが生理的に無理だった。



「ねぇねぇ、どちらかにお引っ越しされませんか?」
「お引っ越ししませんか?」


お経のように唱えつつ極力巣を見ないように干し終えた。