コーヒーを単位に

コーヒーを単位に

あれこれ考えた事、趣味の読書のことなどを徒然なるままに雑記します。

完全なる自己満足ブログです。間違ったことも書くかもしれません。話半分に聞いて、いや読んでください。

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朝から風が強く、大学あるかなぁ、と思いつつ気合を入れて暴風の中に身を投じた。電車はかなり遅れがでていたが、なんとか大学到着。が、しかし着いた瞬間に友人から「大学休講らしい」とのメールを受け取った……
はぁ、オレはついてない人間なのさ。などと不貞腐れながら2時間かけて家にとんぼ返り。


さて、この台風、19日18時現在でも960hPaほどの気圧であり、これは考えてみると海水面を50センチ程上昇させる力を持つ。あぁ、宮島は大丈夫だろうか。
現在の広島は、風は強いが雨はほとんど降っていない。雨雲が四国山地に引っかかって広島まで来ないのだろう。高知ではものすごい雨量になっているようだ。

それにしてもこの台風の進路は異様な感じを受ける。列島に嫌がらせをするかのようなこの軌道、太平洋高気圧やらなんやらが影響するのだろうが、いつも思うのが、よく気象庁?はこの進路を予測できるな。こうゆうところでスパコンが役に立っているのだろうか。

Hisoka
「NHKにようこそ!」 滝本滝彦

ストーリー

ひきこもりの佐藤は大学中退後、将来の展望もなにもないまま毎日怠惰なひきこもり生活を送っていた。ある日、岬ちゃんなる美少女が佐藤に言う「(私は)ひきこもりのダメ人間を救済する、親切な娘です」
これより岬ちゃんの”佐藤ひきこもり脱出プロジェクト”が始動、毎日夜の公園で2人きりのカウンセリングが始まる。


感想

友人に勧められて読んだ。この本はライトノベルの範疇にはいるのだろうか。
ダメダメ佐藤の前に、いきなり美少女キャラが現れあなたを救済する、と言い始める。でも、相変わらず佐藤はダメダメで、廃頽的な生活は相変わらず、隣人の 山崎と非現実的な夢を共有し、でもその夢を本気で実現しようとは思わない。美少女岬ちゃんもなにやら暗い過去を持ち、後半は精神が壊れていく・・・・・・
最初から最後まで佐藤はダメさは変わらないが、ラストの場面で、ほんのちょっと光が見えたのはせめてもの救いか。

ナヨナヨした人(自分)にはかなり佐藤に共感できる部分もあり、佐藤はほんとダメだ、と軽蔑する部分あり、佐藤をなんかうらやましく思う部分あり、で楽し める小説だった。ただ、世の中に跋扈する(俺には理解不能の)ポジティブ人間には、佐藤に軽蔑、さげすみの感情しか湧いてこず、理解に苦しむ割り切れない 小説となるのだろう、と感じた。

読み終わって思ったのが、題名に「NHK」とあるが、NHKは作中で大した役割を果たしてない。ちょっとしたアクセントになっているだけだと思うんだが。まぁ、いいんだけど。


Hisok
 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)/道尾 秀介
¥660
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ストーリー

先生に頼まれてミチオは学校を休んだS君の家に出向いた。しかし、インターフォンを押しみるが、誰もいない。カギの開いていたドアからおそるそそる中へ入ると、S君は首をつって死んでいた。
 しかし、ミチオの報告を受けて先生と、警察がS君の家に行くと、そこにはS君の死体はもうなかった。
 死体はどこに行ったのか、S君は殺されたのではないのだろうか。蜘蛛に生まれ変わったS君と妹のミカとともに、事件の真相を暴こうとする。
 異常な性欲を持つ担任、近隣で話題になっている犬猫の惨死体、S君の近所にすむおじいさんが隠そうとするもの。全ての伏線がラストで開かされる。



感想
(ネタばれ含)

一言で言うと後味悪い。そして、世界観が独特かつ怒涛のミスリード攻撃で、一読では理解できない部分が多かった。しかし、2回読む気にはなれない、気味悪くて。

疑問に思ったのが、生まれ変わりが、この世界内では普通なのか、それともミチオと母だけの妄想なのか、ということ、この作品では、様々な生まれ変わりが出てくる:妹=トカゲ(ミチオにとって) 人形(母にとって)、S君=蜘蛛、トコ婆=猫、足折り爺さん=クツワムシ…といった具合に。ただし、話がミチオを中心 に展開するからか、通常の人間(生まれ変わりでない)で、生まかわりについて言及し、信じているのはミチオとミチオの母しかいないように思う。麺 の小父さんが、猫をトコ婆の生まれ変わりだとしているが、決して本心ではなく、トコ婆の死後現れた猫に、親近感を抱いているだけだと僕は思った。また、ミカの生まれ変わりがミチオと母で異なることを考慮すると、この話の世界は実は超自然的なのではなく、精神のイカレたミチオが作り出した世界なのではないか、と思うのだが……あってるのかこの解釈で……
 もう一つの疑問、一番最後の描写は、ミチオは一人生き残った、ということでいいのか?
冒頭で、長い年月が経過してからの事が書いてあるが、あれは、ミチオの異常な精神が治ったからミカが大人になる前に4歳で死んだ、ということなのか?

いろいろ疑問があるから、いつか読み直したいが何時になるやら……
 この本は評価のわかれる本だと思う。ホラーかつ叙述ミステリーの範疇にはいるのだと思うが、異常性欲の担任とか、ミチオの不可解な行動とか、振りかえる とちょっと強引なミスリードがみられるのだ。個人的にはこの小説のラストの衝撃はかなりのもので、この衝撃は、多少強引であってもこれまでのミスリードの蓄積から生まれるものだと思う。したがって、フェアなミステリーを望む人はちょっと抵抗があるのかもしれないが、僕は面白ければどうでもいいタイプなので大いに楽しめた(恐怖した)。


Hisoka