(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)

https://voicy.jp/channel/941/667968

 

 

 

AIアートが爆誕し、「絵本を作る意味」を見失っちゃって…

 
肩書きなんてあって無いようなもんですけども、一応、僕には「絵本作家」という肩書きがありまして、3年に1度ぐらいのペースで細々と絵本を出版させてもらっています。
 
「キンコン西野のサイン本屋さん」で検索していただけると、西野のサイン入りの絵本を販売しているオンラインショップに辿り着きますので、よかったら是非お立ち寄りください。
 
【キンコン西野のサイン本屋さん】

 

 
さて。
 
そんな絵本制作ですが、2020年頃に『夢幻鉄道』というタイトルがついたプロット(仮原稿)が僕のアトリエで爆誕しまして、仕事の合間を見つけてノラリクラリと制作を進めておりました。
 
このタイトルに聞き覚えがある方がいらっしゃるかもしれません。
 
先月の幕張メッセで梶原さんが歌った(レコード大賞を獲ったぐらい号泣しながら歌った)あの『夢幻鉄道』です。
 
実は、あれは絵本『夢幻鉄道』の主題歌なんです。
 
えんとつ町のプペル』もそうですが、僕、いつもストーリーを書くよりも先に曲を作っちゃうので、曲が先に世に出ちゃうんですね 

 

 

そんなこんなで曲を追いかける形で『夢幻鉄道』の制作を進めていたのですが、去年の夏にAIアートが爆誕して、正直に白状すると、そこで一旦、「絵本を作る意味」を見失っちゃったんです。
 
AIによって、「上手い絵」は誰でも描けるようになったわけで、「となってくると、美しい絵を描いて何になるんだ?」という疑問が湧いてきて、だけど、もうその時点で、結構、制作が進んでいたんです。
 
生々しい話をすると、予算も結構かけていました。
 
そのまま走り切って出版することもできたのですが、でも、「プロが絵本を作る意味」や「AIじゃなくて人が作らなきゃいけない理由」が見当たらない。
 
「ここを見て見ぬフリをしていいんだろうか?」というのがあって、色々と考えたんですけども、結局、せっかく進めていた制作を完全にストップさせました。
 
自分で言うのもアレですが、すっごい素敵な物語なので、「1日でも早く皆さんにお見せしたい」という気持ちも、「ここまで作っちゃったんだから」という気持ちもあったんですが、でも、やっぱりね…絵本なんて人生で何冊も出せるもんじゃないから、出す時はキチンと納得して出したかったので、おもいきってブレーキを踏みました。
 
幕張メッセで梶原君が『夢幻鉄道』を歌うことになった時にも、やっぱり絵本のことが頭に出てきて、「作りたいなぁ」「届けたいなぁ」という気持ちが沸々と湧いてきたのですが、でも、「AI時代にどう作ればいいのか。どう届ければいいのか?」の答えが出ていないので、気持ちをグッと押し殺しました。
 
 

あの日、ブレーキを踏んでなければ出会えなかった「すごすぎるアイデア」

 
そんな中。
 
昨日、出版社さんとのミーティングがあって、そこでもやっぱり「AI時代に、どう立ち回るか?」「どう、自分達にしか出せない価値を作るか?」の話になったんですね。
 
ナンジャカンジャで、2時間ぐらい喋ったのですが、その中で、これはもうビックリするぐらい面白い答えが出たんです。
 
このことは昨日のオンラインサロンの記事に書いたので、気になる方は昨日のサロン記事をチェックしてみてください。
 
とにかくメチャクチャ面白いアイデアで、これぞ「AI時代の立ち回り」の正解だと思います。
 
「生成AIが逆立ちしても生成することができない絵本」です。
 
「なるほど、その手があったかぁ〜」と感動して、声をあげたわけですが、ここからが今日のパンチラインです。
 
昨日のミーティングで出た「すごすぎるアイデア」は、あの日、あそこでブレーキを踏んでいなかったら出会うことがありませんでした。
 
あそこでブレーキを踏まずに走っていたら、もちろん、また別の未来があったと思うのですが、それはそこまで面白いものじゃなくて、きっとそれは、これまでも見てきたような未来だった。
 
今回のように「うぉぉぉぉ」と雄叫びを上げるレベルの面白さはそこには無かった。
 
今あらためて思うのは、多くの人が一度始めちゃったコトに対して、「ここまでやったし」を理由に踏まなきゃいけないブレーキを踏めずにいますが、
「ブレーキを踏む」というのは、やっぱり命を繋ぐアクションで、チャンスを繋ぐアクションだということ。
 
すでに回収不能になったコストを心残りに感じで、さらに多くのコストを描けることを「サンクコスト効果」とか「コンコルド効果」とか呼んだりしますが、僕らの中には、そういった「撤退させない心理」が必ずあって、いつもそれに多くのチャンスを潰されてしまいます。
 
今回、大きくブレーキを踏んだことで、ものすごく面白い場所に辿り着き、あらためて「ブレーキを踏む大切さ」を知りました。
 
皆さんにも「ちょっと違うかもな」と薄々感じていながら辞められずにいることがあるのではないでしょうか?
 
繰り返しますが、「ブレーキを踏む」というのは、命を繋ぐアクションで、チャンスを繋ぐアクションだということを胸の中に置いておいてください。
  
  
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