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自分達が「IPをお貸しする側」になってみて初めて分かったこと

 
『IP』というのは知的財産のことで、一般的には『スーパマリオ』とか『ポケモン』とか、ああいったキャラクターとかゲームとか漫画とかの著作権を指した言葉です。
 
僕らの会社でいうと『えんとつ町のプペル』がそれにあたるわけですが、「IPをお借りする側」と「IPをお貸しする側」の認識の違いというものを、自分達が「IPをお貸しする側」になってみて初めて分かったことがあるので、今日はそのへんの話をしたいと思います。
 
詳しくは昨日のオンラインサロンの記事を読んでいただきたいのですが(経営者に向けてメチャクチャ有益な記事を書きました)、最近だと、バレエ『えんとつ町のプペル』や、10月28日に幕張メッセで開催される『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』が、「IPをお貸ししたイベント」になります。
 
お客さんにしてみればあまり関係のないことかもしれませんが、バレエも盆踊りも主催(運営会社)はCHIMNEY TOWNじゃないんです。
 
なので、「どういう契約を結ぶか?」という話し合いは裏でシッカリとしていて、その中で、とくにバレエ『えんとつ町のプペル』で、「ここはキチンとしておいた方が良かったな」と思ったことがありました。
 
 

グッズの契約に関することなんですけども...

 
それはグッズの契約に関することなんですけども、CHIMNEY TOWNはメチャクチャ良心的すぎる会社で、「会場で販売されるグッズ(えんとつ町のプペルのグッズ)の売上は全部持っていってください」という形をとっているんです。
 
たぶん、世界のどこを探しても、そんなIPホルダーはいません。
 
「ウチのキャラクターを使っているのだから、売上の◯%はウチに入れてください」というのが普通です。
 
でも、まぁ、イベントを作る苦労(予算の苦労)を僕はよくよく知っておりますので、そこは「どうぞどうぞ」してたんです。
 
「グッズも好きに作ってください」と。
 
だけど、蓋を開けてみたら、多くのカンパニーはグッズを開発して販売した経験が無いんです。
 
もっといえば、『プペルグッズ』で特に何が売れるかも分かっていない。
 
その状態でグッズを開発&販売するもんですから、開発コストはかかるは、在庫リスクはあるは、で、実際のところ「グッズ販売」が、そこまでイベントの利益に貢献していないんです。
 
これはセンス云々の話じゃなくて、僕らの会社も、『えんとつ町のプペル』のグッズを開発&販売し始めた時は、たくさんハズしましたし、時にはバカみたいに在庫を抱えたことがありました。
 
その繰り返しで、「なるほど。これは売れるのか」とか「お客さんが『欲しい!欲しい!』と言っているから作ったのに、全然売れないじゃないか」みたいなインプットを続けて、徐々にグッズの精度を上げて、今があります。
 
ちなみに今も時々ハズします。
 
そんな中、『えんとつ町のプペル』のグッズを初めて開発して、初めて販売する主催者さんが、初回からホームランを打てるわけがなくて、ここは、もう少し考えた方が良いなぁと思いました。
 
 

IPを借りられる主催者さんの安全を真剣に考えて考えて出した結論

 
というわけで、マジで昨日のサロン記事を読んでいただきたいのですが、一部だけかいつまんでお話しさせていただくと、たとえばバレエ『えんとつ町のプペル』を来年やる時は、「グッズの自由を無くして(パンフレットぐらいはOK)、基本的にはCHIMNEY TOWNがすでに開発し、在庫として持っているオリジナルグッズを8掛けで卸して、そして劇場ロビーで販売して、売れ残ったらCHIMNEY TOWNに返す」という契約を結んだ方が良いなぁと思いました。
 
そうすれば「開発コスト」も「在庫リスク」も潰すことができて、プラスしかないから。
 
#マイナスは絶対にない
 
これって、IPを借りられる主催者さんの安全を真剣に考えて考えて出した結論なんですけども、「グッズは自由に作らせない。ウチが持っているグッズを売ってください」とだけ聞くと、なんだか、すっごいガメツイ会社に思っちゃいません?
 
僕が「IPをお借りする側」だったら、その判断がまさか自分達のことを真剣に考えてくれて出した判断だとは思えません。
 
「どんだけオラついてくるんだよ」と思っちゃう。
 
自分にグッズ開発&販売の知見が無いことを完全に忘れちゃっている。
 
イベントなんて、始める前は大体勇者モードに入っていて、なぜか「いける」と思っちゃうので。
 
グッズ販売のデータが1ミリも取れていないのに、自分達でグッズを作ろうとしちゃいがちです。
 
今後も僕らの会社はいろんな会社さんとお付き合いさせていただくことになると思うのですが、「相手を勝たせないと長続きしない」ということは百も承知で、「エネルギーを吸いとっちゃうとダメ」ということは千も承知なので、契約時に僕が謎の条件を出した時は、イジワルをしているわけでも、CHIMNEY TOWNの取り分ファーストでもなく、あなたのことを守る為にやっている…ということをご理解いただけると嬉しいです。
 
 

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