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『世界一を決める村』の中の1位

 
一昨日、こんまりサンの旦那さんで、プロデューサーの川原卓巳サンとの対談企画がありまして、もう川原さんが天才すぎて壁打ちが本当に楽しかったんですけども、そこで盛り上がった話がとても面白かったので、要約して、共有させていただきます。
 
多くの日本人が想像している『世界一』に対する誤解についての話です。
 
先日の放送で、「世界戦は日本戦の延長にない」というお話をさせていただきました。
 
小学校で活躍したら、有名中学に行けて、有名中学で活躍したら、有名高校に行けて、有名高校で活躍したらプロになれて、プロで活躍したら日本一になれて…みたいな感じで、「今いる場所で結果を出せば、次のステージに行ける」というのは、日本戦まで…という話です。
 
川原さんと盛り上がった話も、まぁ、そんな内容なんですけども、もう少し解像度が高くて、もう少し分かりやすい言い回しだったんです。
 
曰く、「エンタメ業界における『世界一』というのは、『世界一を決める村』の中の1位」ということです。
 
「日本は超村社会で、海外は実力勝負」という風に捉えている方が多いと思うんですけども、実際に海外で活動してみると、どこも超村社会で、日本村があるように、ドバイ村があって、フィリピン村がある。
 
その中に、エンタメの世界一を決める「ブロードウェイ村」があって、「ハリウッド村」があります。
 
ちょっとややこしいですが「世界の1位が世界一」になるわけじゃなくて、「ブロードウェイ村の1位が世界一」であり、「ハリウッド村の1位が世界一」なんです。
 
当然、ブロードウェイ村の1位はブロードウェイ村の村民しか獲れませんし、ハリウッド村の1位はハリウッド村の村民しか獲れない。
 
つまり、世界一になろうと思ったら、「世界一を決める村の村民」にならないといけない。
 
世界一を決める村に住んで、世界一を決める村の村民をスタッフに迎えて…ということをしなくちゃいけない。
 
これが「日本戦の延長に、世界戦は無い」の実態です。
 
 

「グローバルローカル」の1位が本当のグローバル 

 
今はエンタメ業界の話をしましたが、これは他の業界でも大体同じで、たとえば先日、ドバイで、とある財閥の会長とお食事に行かせていただいて、色々とお話を伺ったんですけども、そこで終始言われていたのは「ローカル(地元の村)に入り込まないと何も始まらない」ということでした。
 
ドバイ進出している日本の大手企業もいくつかあるそうなんですけども、ローカルに入りこんでいない企業は、ただ「ドバイ店」があるだけで、大きな成果は出てないんです。
 
過去、日本のオリジナル作品がブロードウェイで公演したこともあったんですけども、ニューヨークに住んでいる日本人に声をかけたり、「日本のファンが航空チケットをとってブロードウェイに観に行っていた」というのが実態で、それがどれだけ素晴らしい作品であろうが、ブロードウェイ村では「ブロードウェイ作品」としてカウントされていないんです。
 
なので、どれだけ良い脚本でも、どれだけ良い音楽でも、どれだけ良い美術でも、どれだけ良い演技をしても、どれもトニー賞(ミュージカルの世界一)には絡んでいかない。
 
 
ブロードウェイのミュージカルにしても、ドバイのビジネスにしても、どの業界もそうで、「世界一」を狙う時に押さえなきゃいけないのは、「グローバルローカル」で、この仕組みを理解していないと、全ての努力が明後日の方向に向かっちゃいます。
 
「グローバル」と「ローカル」は対義語じゃなくて、「グローバルローカル」の1位が本当のグローバルなんです。
 
世界一美味しいラーメンが「世界一」の称号を獲得できるわけじゃないんです。
 
今、このラジオのリスナーさんの中で「世界一」を狙っている人はあまりいないと思うんですけども、ただ「世界一」の実態を情報として入れておくと、今後のエンタメやビジネスの見方が変わってきて面白いかもしれません。
 
 

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