今日は『IPビジネスの現実』というテーマでお話しさせていただきます。

本題に入る前に「お知らせ」を2つさせてください。

 

一つ目は、昨日もお伝えさせていただきましたが…各地で好評を博しております『映画 えんとつ町のプペル』のドライブインシアターの《追加上映》が決定しました。

でもって、すでにチケットが完売してしまった会場が出ているので、現在、まだチケットがとれる会場をご案内させていただくと…

 

6/24(木)イオン板橋ショッピングセンター

6/25(金)イオン板橋ショッピングセンター

6/25(金)越谷イオンレイクタウン

 

…の3会場です。

 

【鑑賞料金】

お車1台につき¥3,300(税込)

※ポップコーン2個、ペットボトル2本付き

 

【チケットはコチラから】

https://t.co/2NckyOke5h 

 

 

 

 

 

チケットはイオンシネマさんの「ドライブインシアター」のホームページでご購入ください。

 

車の中でお楽しみいただける映画なので、子供が騒ごうが何しようが、誰にも迷惑がかかりません。

これまで「子供がまだ小さいから」という理由で映画を諦めていたお父さん&お母さんに届くと嬉しいです。

 

よろしくお願いします。

 

 

そして、お知らせがもう一つあります。

月に2度、僕の友達を僕の自宅に招いて、呑みながら語り明かす『スナック西野』という月額590円のYouTubeのメンバーシップをやっております。

 

ただ呑んでるだけっちゃあ、呑んでるだけなのですが、お越しになられるのが各業界のトップランナーの方々で、そういう人達は、呑みの席の話が一番面白いんです。 

なぜなら、まだ世に出していないプロジェクトだったり、世に出しているプロジェクトの裏話だったりするので、早いし、本質的なんですね。

 

 

次回のゲストは美容室NORA代表の広江一也さんです。

いろんなお店が悲鳴をあげているこのコロナ禍で、新たに5店舗をオープンしたNORAの実態を知りたくて、どうしてもお話ししたかった友人の一人です。

批評家・経済評論家さんの話も面白くて好きなのですが、それはそれとして、やっぱり現場の手触り感のある話を僕は聞きたくて、キンコン西野が終始前のめりで質問しています。

実店舗を持たれている方、そして、ギリギリのところでコロナと戦い続けている方のヒントとなり、エールとなるような話がたくさん聞けました。

是非、ご覧ください。

 

『スナック西野』に参加される方は、僕の公式YouTubeチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』の画面下にある「メンバーになる」をクリックしてみてください。

「スナック西野」は隔週土曜日放送です。

 

(※コチラ→) https://www.youtube.com/channel/UCOy5sLcFLqYNqZ1iurp4dCg/join 

 

そんなこんなで、本題です。

 

 

 

 

 

 

 

『IP(知的財産)ビジネスの現実』

 

コロナになってから、いろんなものが「オンライン」になって、講演会なんかもオンラインが主流です。

前までは、「〇〇ホール」とかで講演会をやっていたりしたので、キングコング西野に興味がない方も、「ああ、こんなことをやっているのね」と知る機会もあったと思うのですが、今は、それはありません。

 

ですが、オンライン講演会は毎週のようにやらせていただいます。

♯オファーをどこで受け付けているかは僕は知りません。

 

昨日もオンライン講演会がありました。

講演会には「質問コーナー」があって、時々、「IPビジネス」について質問されることがあります。

僕が「えんとつ町の○○」とかをやっているので、この手の質問は少なくないんですね。

 

まず、「IP」とは何か?

日本語でいうと「知的財産」のことです。

 

キャラクターとか、楽曲といった、あらゆる著作物は「著作権保護法」という法律で守られています。

よって、著作権を持たない人が、勝手にそれを使っちゃうと、「そりゃダメだよ」となるわけですね。

 

なので、そのキャラクターを使う場合は、都度都度許可をとって、利用料をお支払いするわけです。

まぁ、この辺の話は、なんとなく聞いたことがあると思います。

 

「ドラえもんの鞄」を勝手に作って、売っちゃったら、大山のぶ代さんにブチギレられるんです。

 

「IPビジネス」というのは、著作権を持つ者が、その著作物を利用できる権利を与えて、その利用料をいただくことで回すビジネスのことです。

その時、著作者は稼働していなくて、IPが勝手に働いてくれているわけですから、「それは美味しい話だ」ということで、多くの人がIPを作りに行くのですが…やっぱり、他人がお金を払ってまで使いたくなるIPなんて簡単には作れません。

 

IPは、「キャラクター」とか「楽曲」だけじゃなくて、「ブランド」とか「ノウハウ」など幅広くあるのですが、僕に質問しているということは、まぁ、「キャラクター」の創造・運営について知りたい人だと思うんですね。

要するに「キャラクタービジネス」です。

 

僕の場合だと『プペル』というのと、『えんとつ町』というのがあったりします。

 

大阪に『頓堀宿泊室』という「えんとつ町の宿」を再現した宿があるのですが、そこは「えんとつ町」というIPを利用しているんですね。

なので、IPの所有者であるCHIMNEYTOWNという会社とキチンと契約したりします。

 

https://www.tombori.jp/

 

 

「そういうものをどうやって作るんだ?」という質問をいただくのですが…これが本当に難しい。

 

 

まず大前提として「IPを所有したところで、使いたい人がいないとIPビジネスとしては回らない」というのがあります。

 

「作品がヒットした」ということと、「使いたい人がいる」ということは、必ずしもイコールじゃないんですね。

 

去年、『今日から俺は』という映画が大ヒットしましたが、『今日から俺は』のグッズとか、『今日から俺は』の世界観のお店とかってあんまり見ないですよね?

「作品の良し悪し」や「作品がヒットしたか否か」と、ライセンス利用料を支払ってビジネスを始める人の数というのは比例関係にない…ということです。

 

人気キャラクターを生んだからといって、IPビジネスが動き始めるかというと、そうではない。

著作権は確かに持っているけれど、「著作権をただ持っているだけ」ということになっちゃうわけです

 

 

それともう一つ。

 

人気キャラクターを生んで、IPビジネスが回り始めたとて、「回り続けるか?」というと、そうとは限らない。

次の時代の人気キャラクターがその席を狙っているわけで、一度奪われたら、結局、「著作権は持っているけども…」という状態になってしまう。

 

IPビジネスをしようと思ったら、受け入れなきゃいけない現実がたくさんあるんですね。

「可愛いキャラクターを作る!」といったって、可愛いキャラクターなんで世に溢れています。

「可愛いだけのキャラクター」には何の価値も無いんです。

 

 

「じゃあ、IPビジネス(キャラクタービジネス)をしようと思ったら、どうすりゃいいの?」という話ですが、基本は「熟成させる」というところだと思います。

 

20年も生き続けたら、強いのが、あの日『スターウィーズ』にハマった青年がお父さんになって、自分の子供に『スターウォーズ』を勧める。その瞬間、『スターウォーズ』が「作品」から「親子のコミュニケーションツール」になるわけで、そうなったら新米IPが付け入る隙はない。

ディズニーが『スターウォーズ』や『マーベル』を買ったのって、「作品を買った」というよりも、「コミュニケーションツール」を買った意味合いが大きいと思います。

 

そう考えると、「熟成する可能性を秘めているモノ」に張った方がいいんじゃないかと個人的には思っています。

僕は「絵本」に張りました。

絵本だと、お母さんは、「自分が子供の頃に読んでもらった絵本を自分の子供に買い与える」という選択をするので、まだ可能性があるかなぁと。

 

 

 

 

でも、これも「可能性がある」というだけの話で、世界中の猛者(大企業を含む)がI Pの席を狙っているわけですから、簡単では無いですよ。

 

 

 

西野亮廣(キングコング)