本題に入る前にお知らせをさせていただきます。

好評を博し、全会場完売となった『映画 えんとつ町のプペル×ドライブインシアター』の追加上映が決定いたしました。

(※こちら)→ www.aeoncinema.com


開始時間がバラバラ(基本は陽が沈んでから)なので、ザックリとご案内させていただきます。

【5月23日】
イオンモールむさし村山 17時45分開場、19時15分上映開始

【6月4日(金)】
イオンモール四條畷 《完売》

【6月5日(土)】
イオンモール佐賀大和 《完売》
イオンモール名取  18時開場、19時半上映開始


となっております。

開場時間から、上映開始まで時間がかかっているのにはワケがありまして、もちろん早く来られた方が基本優先されるのですが、車のサイズとかを見て、ちゃんとスクリーンが見れるように、現場でスタッフさんが、「あなたの車は、ここに停めてくださ〜い」といった感じで誘導してくださるんです。

 
たとえば、一番前にメチャクチャ背の高い車が停まっていたら、スクリーンが見えないじゃないですか?それを避ける為にスタッフさんが頑張ってくださっています。

で、早くに車を停めた方は、大体、イオンでおやつとかを買い出しに行ったり、トイレに行ったりしています。
ちなみに、チケット料金は1台3300円なのですが、なぜか、ポップコーン2つと、ペットボトル2本が付いてきます。
 
4人乗りであろうと「1台」というカウントなので、採算度外視イベントです。
イオンシネマさんにお礼を言っておいてください。

もちろん、車の中なので、赤ちゃん連れや、ワンちゃん連れもO Kです。
そういった理由で、映画を諦めていた方に届くと嬉しいです。

 【チケットはコチラから↓】




そして、これも『えんとつ町のプペル』絡みのお知らせになるのですが、今月末に発売する僕の絵本最新作『みにくいマルコ 〜えんとつ町に咲いた花~』のご予約が各書店さんでスタートしました。
 


『映画 えんとつ町のプペル』から3年後の「えんとつ町」が舞台となるのですが、映画をご覧になられていない方も勿論楽しめる内容となっております。
映画をご覧になられた方は、映画のクライマックスで起きた、あの大きな大きな町の変化がありましたよね?
 
あのシワ寄せが「こんなところに出ちゃったの?」というような内容となっておりますので、それはそれで楽しんでいただけると思います。

こちらの作品はサイン本のご予約も承っておりまして、お求めの方は『キンコン西野のサイン本屋さん』で検索してみてください。
宜しくお願いします。





そんなこんなで本題でございます。
今日はサロンメンバーさんからの質問に答えていこうと思います。



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【Q】じゅんき
私は役者を目指していましているのですが、活躍している人の共通点や売れるための決め手などありますか?
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【A】
メチャクチャいい質問ですね。
 
まずは「活躍していない人の共通点」からお話しすると、スッと入ってくると思うのですが、
「活躍していない人の共通点」は「活躍していない人同士でつるむ」です。
 
自分と同じ条件で活躍している人が自分の目の前にいると、活躍できていない原因は「自分のせい」になりますが、「活躍していない人同士」で集まっちゃうと、活躍できていない理由が、「環境のせい」になっちゃうじゃないですか?
 
つまり、活躍していない人同士でつるんじゃうと、「努力しない自分を肯定する理由が増える」ということです。
 
なので、可能であれば、少々居心地が悪くても、活躍している人に会いに行った方がいいですよ。おそらく、同席するのでいっぱいいっぱいで、提供できるものは何もないと思いますが、そこで見た方がいい。
 
「活躍している人って、こんなに愚痴を言わないんだ」とか「こんなに前向きで、こんなに人当たりがいいんだ」ということを思い知った方がいい。

成功は再現性がないから、あまりアドバイスできないけれど、失敗する方法は確実にお伝えできるので、最後に一つだけ言うと、仲間(コミュニティー)の作り方は本当に考えた方がいいです。

一番簡単に仲間を作る方法って何か知ってますか?


「誰かの悪口」です。

 

Aさんの悪口を言ったら、同じようにAさんの悪口を言う人と同志になります。
もっと仲間を増やそうと思って、次にBさんの悪口を言ったら、同じようにBさんの悪口を言う人が集まってきます。
 
この延長で何が起きてしまうかというと、このコミュニティーのルールは、「AさんとB
さんを悪く言う」ということになっちゃいますよね?
 
でも、Aさんが正解を出すときってあるんです。
Bさんが正解を出す時ってあるんです。
 
でも、コミュニティーとして「AさんとBさんを悪く言う」というルールを決めてしまっているから、今さら「Aさんが合ってるかも」とは言い出せない。
そんなこと言おうものなら、コミュニティーから追い出されてしまうので。

散々、悪口を言った自分ですよ?
 
このコミュニティーから出てしまったら、もう味方がいないんです。
 
だから、「間違っている」と分かっても、出るに出られない。意見を変えるに変えれない。
そうして、「コミュニティーごと老いて沈んでいく」という展開になってしまうので、仲間を作る時には、くれぐれも「悪口」を待ち合わせ場所にして仲間を作らないことですね。

応援しています。頑張ってください。


 
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【Q】S H O K O
西野さんに、東京オリンピックについて、質問です。
日本でのコロナは収まる気配がなく、感染者も増えており、ワクチンの接種もまだまだです。そんな中政府はオリンピックを今年の夏に開催する方向でいるようですが、西野さんは、オリンピックを開催する、しない、どのようにお考えか、教えていただけないでしょうか?よろしくお願いします!
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【A】
まず言わせていただくと、「厄介な質問を選んじゃった」と思っています(笑)
僕、この類の話って、一切しないですもんね。
でも、選んじゃった以上は、お答えします。

ただ、ここだけはキチンと線を引いておきたいです。
 
僕は人間なので、意見を求められても「分からないもの」は分からないです。
それっぽい答えを絞り出すこともできますが、自分の影響力を鑑みた時に、絞り出さなきゃいけないような答えは発信すべきではないと考えています。
なので、僕の立場から答えられることだけを言わせていただきます。

で、開催に関しては、ちょっと分からないです(笑)
 
政府は、「十分な対策をする」という話をしていて、本当に十分な対策をしてくれるのでれば問題ないのかもしれないけれど、
これまで水際対策の甘さやら何やら、「十分な対策をしてこない姿」を散々見せつけられてきたので、その言葉を信じにくくなっているというのも事実で。。
 
「十分な対策が本当にできるのか、否か」という、前提によるので、ちょっと何とも言えないです。

で、仮に、やる方向で進めるとして、今回のオリンピックに対して思うことは二つで、
まずは、「リーダーが説明しなすぎ」という問題。

リーダーの仕事って、主に3つで、「理念を掲げる」「責任をとる」「説明をする」なんですね。

ワクチンの接種が遅れていることが問題なのではなくて、遅れていることに「納得感」が無いのが問題で、それはシンプルに説明不足ですね。
 
友達との待ち合わせをイメージしていただけると分かりやすいと思うのですが、何も言わずに1時間遅れてきたら「ムッ」としちゃいますが、待ち合わせ時間5分前に、「ごめん、今、電車が止まっちゃってて」という連絡があったら、「そりゃ、仕方ないな」となるじゃないですか?

この時期にイベントを開催することの難しさは絶対にあって、思うようにいかないことだらけです。当初の約束が守れなくなることもあります。
 
これ自体は誰も悪くなくて、大切なのはリーダーがそのことをキチンと説明して、「それなら、仕方ないな」と思ってもらうことだと思います。

「こういう狙いで、こういう手を打ってみたけど、効きませんでした。本当にごめんなさい。今から改修に当たって、明日の朝の9時までは絶対に終わらせます。そして、次に、こういう手を打ってみます」といった感じで、仮説と打ち手と検証結果と改善と、次なる仮説と打ち手を共有してくれたら、「仕方ないな。彼も大変だし、応援しよう」となるじゃないですか?
リーダーがこれをやらないと、お客さんは納得しないし、朝から晩まで頑張っているのに、悪者にされてしまうチームメンバーがやりきれないですよ。

なので、キチンと説明することが大切だと思っています。

 
次に、ここは僕の専門領域かもしれないのですが……「お客さんを巻き込むのが下手すぎる問題」です。
 
僕は、とにかく「作るところからお客さんを巻き込んでいく」のプロなので、ここらへんの設計に関しては煩いのですが、たとえば「東京五輪をシェアして応援しよう!」みたいな打ち出し方をしたりしていますが、お客さんがシェアすることの「お客さんの取り分」をまるで設計していないじゃないですか?
「お客さん参加型」と言いつつ、「みんなで作るオリンピック」とか言いつつ、その実態は、「国民の宣伝力を体よく搾取している」というところだと思います。

 
そうだなぁ…、えっと、「いちご狩り」って、イチゴを狩る作業が楽しいから、その労働に時間とお金を払っているわけじゃないですか?
バーベキューも、火をつけたり、肉を焼いたりするのが楽しいから、それらの労働に時間とお金を払っているじゃないですか?

 
でも、東京五輪のボランティアに参加したら、どういう『面白い』があるか、ちょっとよく分からないですよね?
炎天下の中、なんか変なユニフォームを着させられるイメージしかない。

ここの「お客さんの取り分の設計」の部分ですね。
ここは、もっと詰めた方がいいし、そういうこと(お客さんを巻き込むこと)が得意な人に任せた方がいいです。

とにかく「巻き込み方」が下手すぎるんです。
ロゴデザインひとつとっても、国民投票みたいなノリにしたじゃないですか?
あれって、国民を巻き込んでいるんじゃなくて、シンプルにリーダーが責任をとりたくないだけなんですよ。
 
どんなものが選ばれようが、「選んだのはお前らだからな」という逃げ道を作っている。

でね、多数決でデザインを決めちゃダメなんです。


だって、投票する人は、そのデザインが2次展開、3次展開できるかどうかまで考えないでしょ?
 
多数決で、グッチとか、エルメスとか、ナイキとか、シュプリームとか、♯F R2といったブランドが生まれると思います?
多数決で、「千と千尋の神隠し」や「エヴァンゲリオン」といった傑作が生まれると思います?
クリエイティブの真ん中にあるのは、偏愛であり、独裁です。

結果、多数決で選んだデザインの東京五輪のグッズとかって、誰も求めていないじゃないですか?
東京五輪のマスコットキャラクターがプリントされたTシャツなんて、絶対に着たくないでしょ。

デザインを多数決にしたことによって、おそらくウン十億円の損失が生まれたハズで、あのあたりは本当に下手だななぁと思います。

『えんとつ町のプペル』が正解とは言いませんが、一応、「みんなで作った映画」なんですね。
 
だけど、ストーリー制作の部分には1ミリも立ち入らせないし、当然、作画の部分にも1ミリも立ち入らせません。
ここは独裁なんです。「皆の総意よりも、俺の『面白い』が正解だ」という世界線です。

その後に、たとえば、背景の店の看板の名前とか、そういった部分なら、小学生が入ったとしても、クオリティーに響かないので、そこは参加してもらう。
 
たとえば、「薬師丸ひろこサン」という人が参加してくれたら、こちらの方で「ひろこ薬局」みたいな看板をデザインして、背景に入れ込む。
 
薬師丸ひろ子さんからすると、作品の中に一生残って、D V Dとかで見返す度に、「もうすぐ私の店が出てくる」という楽しみが生まれるじゃないですか?

こういった感じで、プロがやる部分と、参加してもらう部分をキチンと分けて、参加するメリットもキチンと作っていった方がいいんじゃないかなぁと思っています。

ちなみに、先に言っておくと、このままいくと、大阪万博も同じミスをすると思うので、早いうちに修正した方がいいと思います。


東京五輪に関して思うところは、そんなところですかね。




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