月に2回、隔週で、僕の友達を自宅に招いて、酒を呑みながら、「今やっていること」や「これから仕掛けること」などを話す月額590円のYouTubeのメンバーシップ『スナック西野』をやっております。



結局、お酒の席の話が、どこよりも本音で、どこよりも早い(情報鮮度が良い?)ので、それを産地直送でお届けしようというのが『スナック西野』の趣旨です。

 

今週のゲストは、僕の先輩のダイノジ大谷さんです。

吉本興業の人間と、元・吉本興業の人間とで「今後の芸能事務所」についてお話しさせていただきます。

 

メチャクチャ面白い回となりましたので、是非。

先々のゲストのラインナップは「IT評論家・尾原和啓さん」「堀江貴文さん」、そして、「美容室NORA代表・広江一也さん」となっておりおります。

 

興味がある方は、僕の公式YouTubeチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』の動画の画面の下にある「メンバーになる」をクリックしてください。

(※こちら→)https://www.youtube.com/channel/UCOy5sLcFLqYNqZ1iurp4dCg/join 


 


宜しくお願いします。

 

そして、もう一点。

 

まもなく(5月末に)発売となります僕の絵本最新作『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』のご予約が各書店さんで始まっております。

 



『映画 えんとつ町のプペル』から3年後の「えんとつ町」の見世物小屋で働くモンスターの物語です。

あんまり言いたくないですが、どうせインタビューとかで喋ることになるので言いますが、『えんとつ町のプペル』に続き、僕の、本当に個人的なお話です。


とは言え、キチンとエンタメに着地しておりますので、その辺りも楽しんでいただけると嬉しいです。

こちらはサイン本のご予約も承っておりまして、サイン本をお求めの方は『キンコン西野のサイン本屋さん』で検索してみてください。

 



よろしくお願いします。

 

 



そんなこんなで今日の本題です。




吉本興業の方から今日の朝6時に情報リリースされたので、早い人だと既にキャッチしているかもしれませんが……『映画 えんとつ町のプペル』が、オランダのロッテルダム国際映画祭のクロージング作品として選出されました。

 

  


 

今年はコロナの影響で色々と変則的な開催となったロッテルダム国際映画祭ですが、グランプリなどが選ばれる「コンペディション部門」の方はすでに2月に終わっていて、僕らが招待されたのは6月2日から始まる「上映部門」の方で、クロージング作品というのは、分かりやすくいうと、映画祭の大トリです。


とにかく、やたらと光栄なことであることには間違いありません。

 

 

昨日、日本時間の22時に現地で会見がありまして、僕はオンラインで参加させていただき、そこで、先々の世界展開についても少し質問をいただいたんです。

 

『映画 えんとつ町のプペル』は、先月台湾で公開があって、今度は5月26日から韓国で始まります。

  


コロナの状況と相談しながら海外展開を進めているのですが…僕らの会社は映画だけじゃなくて、他のプロジェクトでも海外展開を見越して動かしているものがいくつかあったりします。

 



もちろん、そんなにサクサク進んでもいないし、先輩ヅラできる立場ではないのは百も承知ですが、「いつか、海外でも活躍したいなぁ」と思っている方へ、「このことは共有しておいた方がいいなぁ」と思うことがあって……それは、当たり前っちゃあ当たり前のことではあるのですが、「海外は、狙わないと始まらない」ということです。

 


これは自分も痛感したことなのですが、いまいちピンとこないと思うので、噛み砕いて説明しますね。

 

 

たとえば、小学校から野球をしているとするじゃないですか?

リトルリーグに入って、そこでメチャクチャ結果を出せば、名門中学から話が来る。

で、名門中学でしこたま頑張って、1年から4番を打つ選手として活躍して、注目されれば、

今度は、名門高校からスカウトが来る。

その先には、プロからのスカウトもあって、ドラフト会議にかけられる。

 

勉強なんかも基本、そうですよね。

誰よりも努力して、誰よりもイイ点をとれば、次の素晴らしいステージが待ってる。

 

芸人もそうです。

劇場で結果を出せば、地元のテレビに呼ばれて、

そこで結果を出せば、東京の深夜番組に呼ばれて、

そこで結果を出せば、ゴールデンタイムに呼ばれて……といった感じで、与えられた場所で咲けば、ステップアップがあります。

 

ところが、「海外での活動」となると、ちょっとワケが違う。

 

与えられたところで結果を出そうが、基本、スカウトは来ないんです。

これ、当然なんです。

海外の人達からすると、「わざわざ日本人を起用する理由」がないから。

 

日本でどれだけ歌が上手くて、踊りが上手くても、ブロードウェイのスタッフがやってきて、「是非、ウチで」みたいなことって、可能性がゼロとは言いませんが、まぁ、無いんですね。

 

子供の頃からあったエスカレーターは、ブロードウェイまでは続いていないんです。

ブロードウェイのステージに立とうと思ったら、ブロードウェイ用に仕掛けなきゃいけないんですよ。

 

 

たとえば、日本の出版社の人間が新しい本を作る時に、わざわざタンザニアまで才能を探しに行かないですよね?

コンゴ民主共和国まで行って、その国では凄く高い評価を受けている作家さんを口説いて、作品を書いてもらって、日本語に翻訳したりしないですね?

 

タンザニアの作家や、コンゴの作家が日本で活動しようと思ったら、仕掛けなきゃいけないんです。

 

 

そんな感じで、世界は、わざわざ日本人を起用する理由がないんです。

世界中のプレイヤーが実力順に並べられて、上から順に選ばれるわけじゃないんです。

 

 

与えられた場所で圧倒的に結果を出せば、次のステージに行ける環境でしか生きてこなかったので、ここって案外見落としがちです。

ニューヨークで個展をやった時も、エッフェル塔で個展をやった時も、

作品を作って日本で座って待っていたわけじゃなくて、やっぱり仕掛けにいったんですね。

 



これは、僕らのチームでも、そして、オンラインサロンの記事の中でも、本当によく議論になります。

「世界に出ていく為には何をすればイイのか?」もっと言うと「何をしちゃいけないのか?」

日頃、生きていて、ここの議論って、あんまりされなくないですか?

 

でも、これからは、ここは無視できなくなってきて、とくに、世界に対して自分達のポジションを獲得する作業って無視できない。

というのも、世界に出ていくつもりはなくても、世界が日本に来ることは普通になったじゃないですか?

 

僕らが普段利用している、GoogleもAmazonもFacebookもAppleも日本の企業じゃないし、僕らが時間を割いた『愛の不時着』も『梨泰印クラス(イテウォンクラス)』も日本のドラマじゃない。

 

日本と海外の間にある壁は、僕らには壁として働くけど、向こうがコッチにくる時は、あまり壁として機能していない。僕らは結構すんなり受け入れちゃうし、なんなら憧れすらある。

「オフェンスはしない上に、デイフェンスはガバガバ」みたいな感じです。

 

ここには危機感を持って、「世界における日本のアプローチおよびポジションの取り方は何なんだろう?」ということは、もっと議論していくべきだと思います。

 

 

とかく今日のまとめとしては、ついつい忘れがちだけど……「子供の頃から当たり前にあるエスカレーターは海外までは続いていないから、海外で何かをしようと思ったら、あらためて仕掛けなきゃ始まらないぞ」ということです。

 

そして、あらためて…

 



ロッテルダム国際映画祭のクロージング作品に選んでいただけたのは、素晴らしいスタッフと、いつも優しく見守ってくださっているファンの皆様のおかげです。

心から感謝を申し上げます。

 

 


『映画 えんとつ町のプペル』の世界戦は、まだまだ続きますので、見届けていただけると嬉しいです。

 

あと、イオンモールむさし村山さんで23日(日)に『映画 えんとつ町のプペル』のドライブインシアターの追加上映が決定しましたので、併せてよろしくお願いします。

 




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