本題に入る前に近況報告をさせてください。

国内外のちびっ子に毎月絵本を贈る「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」という活動をおこなっているのですが、今回は「青い鳥学園第一幼稚園」「青い鳥学園第二幼稚園」「六甲アイランド幼稚園」の園児の皆さんにそれぞれ贈らせていただきました。


詳しい活動内容に関しましては「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」の方で、発信させていただいておりますので、こういった活動に興味がある方は是非、「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」で検索してみてください。

https://salon.jp/child_gift 



そして、もう一点。

『映画 えんとつ町のプペル』がまもなく一段落つきそうなタイミングで、僕らは新しいプロジェクトをスタートさせております。


今度は「地方創生」です。


「地方創生」が叫ばれて久しいですが、実際に成功しているところって、そんなに多くないと思うんですね。

いろいろ原因はあると思いますが、「成功と失敗のデータを共有しきれていない」というのは一つの失敗だと思っています。

調べてみると、他人が踏んだ地雷を踏んでいるケースが普通にあったりします。


せめて、そこは回避しなきゃいけないなぁと思って、今回は、「これをやったら上手くいきました」「これをやったら失敗しました」をゼロから積極的に共有していこうと思っておりまして、僕らがおこなう「地方創生」の一つである「宿づくり」のガチンコ会議を、3月17日に生配信します。


アーカイブも残しますので、「地方創生」や「空間設計」に興味がある方は是非!


https://nishinoinc.thebase.in/items/41101709 


 


そんなこんなで本題です。


今日は「『ファンの交換』をして、知ってもらうことって大事だよね」みたいな話をしたいと思います。




僕は、Voicyで喋った内容をコピペしているだけで、あとは深夜に酔っ払って生配信するだけのダラシナイYouTubeチャンネルを〝一応持っている〟のですが……そんなYouTubeチャンネルですら「コラボ」の依頼をいただいたりするんですね。


その都度、「こんなことなら、ちゃんとYouTubeをやっておけばよかった」と申し訳ない気持ちになります。すみません。


……依頼してくださる方の目的って、「西野と喋りたい」の他に、「互いのフォロワーを交換したい」は間違いなくあると思います。

 
それを繰り返して、チャンネルを育て、活動を安定させていくというのは普通におこなわれていることですよね。

これをハイスピードでおこなったのが「クラブハウス」で、あれなんて常時コラボ配信なので、自分の存在を見つけてもらうには凄い良いサービスだと思います。


一人だけで発信しているとなかなか見つけてもらえない活動でも、コラボをすれば見つけてもらえる。


こういったことは「動画」や「音声」の領域では積極的におこなわれているのに、「土地が絡むサービス」……というかオフラインのサービスになると、途端に、皆、「自分の世界」を表現したくなっちゃって、コラボに対して消極的になる。



冒頭で少し「地方創生」の話をさせていただきましたが、「ちなみに各地方でどんな試みがおこなわれているのだろう?」と調べたところ、そのほとんどが「知らない誰かが、その人個人の世界観で表現している、よくある何か」なんです。


空間一つとっても、オシャレだし、かわいいんだけど、「この演出は、他でもよく見るよね」だったりする。

森の中で、裸電球を吊るしたり、三角フラッグをたなびかせたりするアレとか。。


「私が好きな世界を作りたい」という願望って、メチャクチャ理解できるんです。
僕も持ち合わせているので。



でも、シビアな話をすると……もちろん例外もありますが、しかしながら多くの場合、「私」にたくさんのお客さんを集客できるほどの圧倒的な世界を構築する能力があれば、とっくの昔に「私」は世間に見つかっていて、何者かになっているハズです。


すでに、名を馳せているハズなんです。


でも、現実問題、そうなっていないということは、その能力が及んでいないということじゃないですか?


いつまでも人気が出ない地元の「ゆるキャラ」に何年間も時間とお金をかけて激推ししている地域って少なくないと思います。

まず、事を起こすときにやらなきゃいけないのは、「自分の能力はいかほどのものか?」という自問自答だと思うんです。


地方の「ゆるキャラ」の場合だと……

・宣伝が足りないのか?
・それとも、そもそも、その「ゆるキャラ」に魅力がないのか?

……という部分は絶対に考えなきゃいけない。


これを後回しにしてしまうと、時間とお金を大量に捨ててしまう場合があって、これが一番ツライ。
すでに、いろんな人を巻き込んでしまっているので。



結論、何者でもない者は一人でアレやコレややるのではなくて、自分にプラスを与えてくれる人と、もっと積極的にコラボしていった方がイイと思っています。
YouTubeやクラブハウスのように。


当然、コラボをしたら、100%ハンドリングはできません。

自分達の「ゆるキャラ」は捨てて、コラボ相手の「ゆるキャラ」を活かす方向で話を進めなきゃいけなくなるかもしれません。


ただ、「自分の好きな世界が作れないか?」というと、そうでもない。


ある制限の中で、自分の世界を作らなきゃいけない勝負がキチンと残っている。

対談の場合なら、相手の話題の中に「面白いツッコミ」を挟んだり、相手からの「フリ」に返したり。。



僕の場合だと、地元「兵庫県川西市」の歴史や、建造物とのコラボを積極的にやっています。
絵本の中に出てくる建物が、川西市に実際にある建物だったりします。




そうすることによって、絵本が「読み物」だけじゃなくて、「地元のパンフレット」的な役割も持つようになるし、「読む」だけじゃなくて、「体験する」というアクションが一つ生まれる。


僕の地元に満願寺という1300年の歴史を持ったお寺さんがあるのですが、そのお寺さんの山門がとっても印象的な形をしていたので、絵本の中に入れたんです。



そうすると、絵本の読者さんが満願寺を訪ねてくださって、その山門の前で写真を撮ってくださったりします。

絵本の世界を再現したかのように…つまり、まるで西野がその山門を作ったかのように捉えてくださるんです。



これななんて、おもいっきりコラボの恩恵なのですが、しかしながら、これを実現させるためには「その山門が自然に入るように、絵本の世界を作る」という課題をクリアする必要がある。


いきなり自分だけの世界を作るのではなくて、コラボすることによって、「ある制限をかけられた中で、自分の世界を作る」をすれば、自分の世界を見つけてもらいやすくなるし、実際にやってみると、無制限の中で何かを作るよりも、制限の中で何かを作る方が面白かったりするので、オススメです。



整理すると……


まず受け止めなきゃいけないのは、自分の能力です。

「私がゼロから作るものに、はたして求心力があるのか?」という根源的な部分ですね。

あるのであれば「GO」だし、無いのであれば、「コラボ」を考えた方がイイ。


相手から提供してもらうモノ、こちらが提供するモノを、キチンと整理をする。

コラボを選んだ瞬間に、ある種の制限は生まれるけれども、自分の活動を見つけてもらえるキッカケになるし、制限の中でのクリエイティブは結構面白い。


「独り占め」しちゃうと、そのプロジェクトを前に進める力が自分一人しかいないので、世界観も、取り分も、積極的にシェアした方がイイと思います。




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