本題に入る前にお知らせをさせてください。
『映画 えんとつ町のプペル』の上映が、そろそろ終了いたします。
これを言うと「残念」とか言われちゃうのですが、これは、まぁ、そういうもので、もともとは(あくまで目安ですが)「だいたい一ヶ月」と言われていたんです。
そんな中、延長に延長を重ねて、ナンジャカンジャで二ヶ月を超えるロングラン上映になっております。
こんなにありがたいことはありません。
本当に皆様のおかげです。好きです。
長い長い挑戦が、まもなく終わろうとしています。
ただ、終わる劇場もあれば、遅れて始まる劇場もありますし、それこそ海外はこれからなので、お近くの映画館で上映されているかどうか、ご確認いただけると嬉しいです。
宜しくお願いします。
そして、もう一つお知らせです。
次回作の絵本『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』の発売時期が、だいたい5月に決定しました。
コロナ禍で制作が大幅に遅れてしまって、待たれていた方を、待たせすぎてしまいました。すみません。
今回の作品は『映画 えんとつ町のプペル』の3年後の「えんとつ町」が舞台となっております。
『映画 えんとつ町のプペル』に出てきたキャラクターも少しだけ顔を出しておりますので、是非、チェックしてみてください。
現在、書店さんやAmazonさんでの予約はまだスタートしていないのですが、「キンコン西野のサイン本屋さん」というネットショップでは「サイン本」のご予約を受け付けております。
宜しくお願いします。
そんなこんなで今日の本題です。
今日は、「即実践!伝わる話し方」というテーマでお話ししたいと思います。
「伝わる話し方」なんて、検索したらいくらでも出てくると思うのですが、だいたい、そういうところで言われているのは「結論を先に言え」とか、「短くまとめろ」とか、「具体例を織り込め」とか、そんなのだと思います。
そして、その通りだと思います。
そこは踏まえていただいた上で、ここでは、少し違う角度からお話ししますね。
一応、僕はお喋りで世に出てきた人間で、そして今も、多くのプロジェクトを進める上で、作り手としてスタッフさんへの説明をしたり、あるいは広告塔としてお客さんにプレゼンをする機会が少なくありません。
その時、「伝え方」というのは絶対に外せないポイントなんですけども、たぶん、すぐに真似できるものでもないと思うんですね。
難しいことを言っちゃったら、「2秒以内に『喩え』を出しましょう」と言われても難しいじゃないですか?
「それができたら、とっくの昔に売れてるよ」という話なんで(笑)
なので、「こうやったら話が伝わる」という話よりも、「これをやったら確実に話は伝わらないよね」という話をした方がいいと思うんですね。
こちらは避ければいいだけなので、技術は要らない。
で、「これをやったら確実に話は伝わらない」の中でも、トップof「これをやったら確実に話は伝わらない」はいたってシンプルで…「説明の中に、相手が知らない単語を2つ以上入れる」です。
これ、本当に気をつけた方がいいです。
そもそも、「相手に何かを説明する時」は、相手が知らない単語を使うリスクが格段に高くなります。
でも、相手が知らない単語は2つ以上使っちゃダメなんです。
たとえば、生まれてはじめてパソコンを買いに来たウチの母ちゃんに「ユーザーがインターネットを利用する際にはプロバイダーと契約して…」と説明しちゃったら、もうアウトです。
「ユーザーが…」と時点で、イエローカードが出ていて、「インターネット」は乗り越えたとしても、「プロバイダー」でイエローカードがもう一枚出て、「退場」です。
これ、ポイントは「一つまでなら、なんとか踏ん張ってもらえる」というところです。
つまり、「レッドカード」はないんです。
あるのは「イエローカード」のみ。
僕自身、ここで何度も痛い目にあってきて……基本的には、一つの話の中に知らない単語を2つ入れちゃうと、ちょっと嫌われます(笑)
人は、知らないものを嫌う生き物なので。これは動物の本能の部分なので、仕方がない。
今から8年〜9年前ですかね…「『えんとつ町のプペル』はクラウドファンディングで予算を集めて、クラウドソーシングでスタッフを集めて作ろうと思います」と説明しちゃったことがあったのです。
が………説明自体は何も間違っていないのですが、当時は「クラウドファンディング」も知られていないし、「クラウドソーシング」も知られていなかったので、結果、「詐欺師」と言われて終わりです。
今、聞くと「クラウドファンディングで予算を集めて、クラウドソーシングでスタッフを集めることの、どこが詐欺なの?」と思うじゃないですか?
でも、そこは理屈じゃないんです。
相手が知らない単語を立て続けに2つ言っちゃったコッチのミスです。
この失敗を受けて、一つ、やめたことがあって…
僕の最近の絵本って、それこそクラウドファンディングで予算を集めて分業制で作っているので、いわゆる「絵本」とは少し違うんですね。
なので、「何か別の名前をつけて、違うカテゴリーにした方がいいんじゃないか?」という提案をいただいたんです。
「○○ブック」みたいな。
でも、先々の展開を考えると、「○○ブックは、どうやって作っているんですか?」という質問が必ずあって、その時に「クラウドファンディング」という、まだ皆が知らないワードは外せないんですね。
そうすると、「○○ブックは、クラウドファンディングで予算を集めて作っています」と言うことになる。
「〇〇ブックって何ですか?」と言っている人に対して、もう一つ知らない単語を使っちゃうことになる。
これはイエローカード2枚で退場です。
だから、僕の絵本は、オリジナルの名前をつけずに、「絵本」と呼ぶことにしました。
地元で、爺ちゃん婆ちゃんと飲んでいて、自分の活動について話さないといけなくなった時は、知らない単語が出てくる確率がグッと高くなるので、とりあえず「オンラインサロン」という言葉は使わずに、「ファンクラブ」という言葉に置き換えて話すようにしています。海外の方と話す時も「ファンクラブ」という言葉に変えています。
「サロンメンバーとクラウドファンディングを使って…」と、「ファンクラブの皆と一緒に、クラウドファンディングという仕組みを使って…」では、爺ちゃん婆ちゃんへの伝わり方が全然違う。
内容がどれだけ正しくても、一つの説明の中に、2つ以上、相手が知らない単語を入れてしまうと、確実に伝わらないので、そこは避けた方がいいと思います。
この話の延長で……
自分が「話の聞き役」になって、そこにギャラリー(第三者)がいる場合、話し相手が、ギャラリーの知らない単語を使った瞬間に、自分が知ってようが関係なく、すかさず「それって何ですか?」という質問を挟んだ方がいいです。
そのまま話を進めてしまうと、次に知らない単語が出てきた瞬間に、ギャラリーが離れちゃうので。
これは「聞き役」になる時のテクニックですね。
参考にできるところがあれば、参考にしてみてください。
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