まずは活動報告からさせてください。
毎度おなじみとなっておりますが、クラウドファンディング「SILKHAT」内で募集させていただいております『西野亮廣オンライン講演会 ~マーケティング講座 【上級編】~』の受講者数が8400名を突破しました。本当にありがとうございます。

こちらの講演会では今の時代の「人の巻き込み方」や「モノの届け方」について、一歩踏み込んだ内容を話させていただきます。

「上級編」とありますが、難しい言葉や横文字をたくさん使うようなことはいたしませんので、気軽にご参加ください。

『西野亮廣オンライン講演会 ~マーケティング講座 【上級編】~』に興味がある方は、クラウドファンディング「SILKHAT」のプロジェクトページから、是非、ご参加ください。


 
 

そんなこんなで、本題に入りたいと思います。

映画『えんとつ町のプペル』の公開まで、あと【18日】となりました。
 

先日、初号試写がございまして、そこで業界関係者の方々にご覧いただいたのですが、皆、涙してくださっていて、内容に関しては「間違いないものを作った」と胸を張って言えます。
1日でも早く皆さんにお見せしたいです。

この初号試写をもって、作品の制作は一段落ついて、今は、プロモーションで各地を回らせていただいております。

いろんな媒体さんの取材を受けさせていただいて、そこで毎回、「今回の声優(「ボイスキャスト」という呼び方をしますが)のキャスティング理由」についての質問をいただくんです。

どうやら、そこに興味をもっていただいているようなので、今日は、映画『えんとつ町のプペル』の声優のキャスティング理由についてお話ししたいと思います。

 

キャスティング理由といっても、理由は一つじゃなかったりするのですが……たとえば主役の二人。

ゴミ人間・プペル役の「窪田正孝」さんと、
星を探す煙突掃除屋の少年・ルビッチ役の「芦田愛菜」さんに、お声がけさせていただいた理由なのですが……やっぱり今年公開の映画となると、コロナのことは外せないと思うんですね。

「えんとつ町」というのは黒い煙に覆われて、空を知らない町です。
なので、皆、上を向くことがありません。
夢や希望の類を持っていない。

この設定が、奇しくも今の世界と丸被りしてしまっていて……きっと、映画『えんとつ町のプペル』をご覧になられる方は、今年一年のことを照らし合わせながら観られると思うんですね。

 
その時、主人公の声に「うわ〜、演技してるなぁ〜」という感じ(嘘くささ)が少しでも混じっていたら、もう、見てれられないと思ったんです。

「はいはい。ファンタジーなら、まぁ、そんな綺麗事も言えますよね」となっちゃったら負けじゃないですか。

 

なので、そうならない為に、素の状態で「プペルっぽい人」「ルビッチっぽい人」にお声がけしようと思いました。

 
プペルは無垢で汚れ知らずなのですが、もう、窪田さんしか見当たらなかったんです。

窪田さんって、本当に純粋で、バラエティー番組に出られている姿を見られた方もいらっしゃると思いますが、裏でもあのままなんです。「あ〜、すみませんすみません」みたいな感じです。

そこに線の細さも合間って、もう、プペルっぽいなぁと思いました。

 

そして、煙突掃除屋のルビッチです。


彼は、とても可愛らしい見た目をしているのですが、真ん中にしっかりとした筋が一本通っていて、そう考えたら芦田愛菜さんしかいなかった。

僕らがそこはかとなく感じている芦田さんの芯の強さってあるじゃないですか。
「人生何周目だよ」というような凛々しさがある。


映画『えんとつ町のプペル』では、そういった、決して「演技」だけでは放つことができない彼らの声が欲しかったんです。

 

アフレコの様子に関しては過去にお話ししたので割愛させていただきますが、「本当に、この方にお願いしてよかったなぁ」と思った瞬間は何度も何度もありまして、今からお話しするのは、そのウチの一回なのですが…

 

今年は皆、もう本当に大変な目に遭ったじゃないですか?

 
飲食店を経営されている方とかも、本当に大変だったと思うんです。
もう何度も白旗を上げたくなったと思います。
でも、白旗を上げる前に、ちょっと待って聞かせて欲しいことがあります。
「本当に、全ての可能性を探ったか?」

たとえば、クラウドファンディングで乗り切った店もあるわけで、そこに対して、「そういうのよく分からないから」と蓋をしてしまってたりしないか?と思うわけです。

それを知るだけで、守れる店が、守れるスタッフが、守れる家族がいるわけじゃないですか。
白旗を上げるには早すぎる、と思う場面って実際にあったと思うんです。


僕ら自身も制作途中にコロナに襲われて、戦い方を何度も変えさせられました。

「これがダメならこう、これがダメならこう」を何十回も何百回も繰り返して、ずっと別の可能性を探った一年でした。



そんな中、芦田愛菜さん演じるルビッチが、「星の存在を諦めてしまった町の人達」に叫ぶんです。

 

「誰か見たのかよ。あの煙の向こう側を誰か見たのかよ。誰も見てないだろ。だったら、まだ分かんないじゃないか」

 

アフレコ収録のスタジオに、この叫びが響いた瞬間、ブースの外のスタッフは号泣です。

「まだ、分かんないじゃないか」が、今年の自分達に刺さりまくったんですね。

この言葉は、2020年、2021年を生きる人達に、強いメッセージとして残ると確信しました。
「白旗を上げるな」と言っているわけじゃないんです。
「白旗を上げるのは、まだ早すぎる」と言っています。

この台詞を確かな説得力を持って言えちゃう人は、芦田愛菜さんをおいて、他にいないんです。


芦田さんの「まだ、分かんないじゃないか」が良すぎて、CMのプランも大幅変更で、その台詞をメインに、CMを編集し直したんです。



90秒バージョンのCMをご覧になられた方もいると思うんですけど、あの言葉、強かったですよね?

あれって、ファンタジーの「作られた台詞」なんかじゃなくて、今を生きる僕ら一人一人に心当たりがあったと思うんです。
あそこに、演技臭さが入っていたら、そうはなっていなかった。

なので、ルビッチっぽい役者さんに言ってもらう必要があったんです。
これが、映画『えんとつ町のプペル』の声優のキャスティング理由です。

 


 

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2020年12月25日公開!
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