本題に入る前に活動報告からさせてください。

毎度お馴染みとなっておりますが、クラウドファンディング「SILKHAT」内で募集させていただいております『西野亮廣オンライン講演会~マーケティング講座【上級編】~』の受講者数が7700名を突破しました。

本当にありがとうございます。

最近、幻冬舍の箕輪さんだとか、アルの「けんすうサン」といった方々が、それぞれのオンラインサロン内で「今、ビジネス書って、ちょっと厳しいよね」という話をされていて、それ、すごく分かるんです。

それこそ、「孫子の兵法」みたいな普遍的な内容が書かれている本は話が別ですが、「今、こうなっています」ということを印刷して書籍で伝えている時点で、若干、時代とのタイムラグがありますし、「僕は、こうして成功しました」という話は、やっぱ、後から考えを整理されたものであるので、リアル感が薄れてしまう。

普遍的な内容が書かれているわけでもない、オンラインサロンのように現在進行形の試行錯誤が書かれているわけでもない『ビジネス書』って、今、ちょっと難しいポジションにいると思います。

『西野亮廣オンライン講演会 ~マーケティング講座【上級編】~』では、そんな問題も踏まえて、内容をつめていきたいと思います。

興味がある方は是非、クラウドファンディング「SILKHAT」内のプロジェクトページから、ご参加ください。



そんなこんなで本題です。
今日は「YouTuberの未来」という話をしたいと思います。

こんなことを言うとアレですが、僕は表に出る才能がないので、基本、毎日、アトリエでチマチマと次回作を作っているんですね。
で、結構、この生活が好きだったりします。

自分の持ち時間というのは1日24時間から増えないわけですから、「どこに時間を割くか?」が非常に重要で…僕の場合は、基本、裏方作業なんですね。

表に出る仕事は、今は、梶原君とやっているYouTubeチャンネルだけで…それも、今週一週間の梶原君の活動を聞きにいっているだけなので、「仕事」という感じじゃないですね。

そのYouTubeの再生回数が3回でも、その活動は続けるので。ただ、梶原君と喋ることが目的でやってます。


あとは、ゴッドタンから呼び出しを食らった時とか、
「ダウンタウンなう」でダウンタウンさんや坂上忍さんとかとお酒が飲めるとなった時に、デレデレしながら参加させていただいたり…
そういった面白そうな企画の時にだけ表に出させていただく感じで、基本的には、アトリエか編集スタジオでチマチマやってます。


ただ、今は映画『えんとつ町のプペル』のプロモーション期間ということもあって、いろんなメディアに出させていただいているんですね。

収録が済んでいて、放送が決まっているのいうと、『あちこちオードリー』とか『ダウンタウンDX』とか『アメトーーク』とか、あと後輩芸人のミキがやっている『ミキベース』という番組にも出させていただきました。

このあとは、バラエティー番組が数本と、テレビ東京さんやフジテレビさんの特番が、入っていたりします。

はたしてお役に立てているどうかはわかりませんが、お声がかかれば「映画の宣伝をさせていただくこと」を条件にお受けして、一生懸命やらせていただいています。

 
年が明ければ、また隠居生活に戻りますので、アンチ西野の皆様におかれましては、年内は我慢していただけると嬉しいです。

 




でね。
 

久しぶりに自分がプレイヤーとして出ると、やっぱり、いろいろと思うところがあります。

最近、思うのは、「やっぱ、テレビって凄いな」というところなんですけども……
去年あたりから、芸能人がYouTubeに続々参戦して、なんか今、世間的にはYouTubeの可能性が認められている感じですが、話に水を差すようで申し訳ないのですが、「そんなわけがない」と思うんです。

 
これは、くれぐれも、「YouTubeが面白くない」という話ではなくて、「YouTuber全員が食いっぱぐれる」という話でもなくて、当然、上手くいく人は上手くいくと思うのですが…全体的な話として、YouTubeがどれだけ盛り上がっても、お客さんの可処分時間は増えないわけじゃないですか?

可処分時間というのは、お客さんが自由に使える時間のことです。
ここが増えるわけじゃないですよね?

 
いや、厳密に言うと、これまでは増えていたと思うんです。
YouTubeが世間に浸透していくのに合わせて、YouTubeに時間を落とすお客さん自体が増えていたので。
だから、お客さんを連れてきてくれる芸能人のYouTube参戦は、強いYouTuberさんにとっては嬉しい報せだったと思うんです。

パイが大きくなれば、可処分時間は増える。
ただ、それって、成長期の話で、まもなくYouTubeは成熟期に入る。

だって、今、「YouTube見たことない」という人なんて、いないじゃないですか?
6〜7年前は普通にいたので。「YouTube、何それ?」みたいな。

 
ちょっと下品な言い回しをすると、YouTubeはお客さんを、まもなく刈り取り終えるので、ここから可処分時間が増えることはない。

ただ、プレイヤーは増え続けるので、当然、プレイヤー一人に割り当てられる再生時間は減りますよね。

つまり、再生回数は昔ほど稼げなくなる。

YouTubeは広告ビジネスなので、再生回数が稼げなくなると、再生回数で生きているYouTuberさんは、結構、手詰まりになると思うんですね。

 
広告費で稼げなくなるので、まず間違いなく「自社製品」を持たなくちゃいけなくなると思うんですけど、これって、テレビと同じことを繰り返している。

テレビタレントさんもそうじゃないですか。
いわゆる「バックエンド商品」と呼ばれる、利益が出る商品を別口で持っていないタレントさんは、テレビに割り当てられる広告費の減少と共に、収入が減ってしまう。

 
ただ、テレビの凄いところは、チャンネル数が決まっていて、くわえて、(皆さんの自宅のテレビコンセントの位置を思い返していただきたいのですが)日本の住宅はテレビを観るように家の間取りが取られているから、一定数は絶対にテレビを観るんですね。

なので、テレビタレントさんはギリギリのところで持ちこたえると思うのですが、可処分時間が増えないのにプレイヤーが増え続けるYouTubeで活動するYouTuberさんは、ここからは結構、厳しい時代に入ると思います。


くれぐれも、これは「好き/嫌い」「面白い/面白くない」の話でもなく、未来予想でもなくて、「事実」ですね。

昔、「スマホが主流になると、画面の面積の問題で『ひな段』が厳しくなってくるよね」と言った時に、「西野が、ひな段を批判してるー!!」と言われたのですが、そうではなくて、動かせない事実なんです。

当時は、その動かせない事実を受けて、「じゃあ、どうしていくか?」という打ち手を考えた方が建設的だと思っていたのですが、YouTubeもそれと同じような局面にきたなぁと思っています。



まぁ、でも、月並みですが、「商品」か「個人スポンサー」を押さえておくことが大事になってくるんでしょうね。
僕がYouTuberのマネージャーなら、急いで商品開発をします。
再生回数を稼げなくなったYouTubeで生き残っていくには、それが必要になってくる。

 
僕が、オリラジの中田君なら、120%「辞書」を作ります。
そこを押さえたら、子供が生まれ続ける限り、ずっと回るので。
そして、辞書を売るためにYouTubeをします。


最近は、YouTuberさんを、そういった目で見ています。
ちなみに一番好きなYouTuberは、パフォーマンスでも何でもなくてカジサックです。
応援よろしくお願いします。

 


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