すでに情報をキャッチされている方もいらっしゃるかもしれませんが、映画『えんとつ町のプペル』の主演声優さんのキャスティング理由について、お話ししたいと思います。

僕の口から言うのは初めてなので、ちょっと口周りがモゾモゾしているのですが、発表します。

映画『えんとつ町のプペル』の主人公・煙突掃除屋の少年「ルビッチ」の声を担当してくださるのは、女優の芦田愛菜さんです。

そして、もう一人の主人公・ゴミ人間「プペル」の声を担当してくださるのは、俳優の窪田正孝さんです。

 


自分みたいな者が、こういった才能をキャスティングさせていただくなんて本当に恐れ多い話なのですが、本当に今回は快く受けてくださって、アフレコ収録の現場でも最高のパフォーマンスを披露していただきました。

本日、声優さん声も入った1分半の本予告(本気バージョンのCM)も公開されたので、是非、そちらでご確認いただきたいのですが、プペルとルビッチは、もう、このお二人以外考えらません。

ルビッチの声は、これぐらい怯えていて、だけど強く真っ直ぐで、ゴミ人間プペルの声は、これぐらい無垢で、汚れ知らずなんです。

「怖がりだけど、強い」というルビッチの声を出した芦田さんも、「ゴミ人間の声」という正解のない問題を綺麗に答えた窪田さんも、お二人とも本当に凄すぎる。





 

でもって、今日は、どうして、窪田さんと芦田さんにオファーを出させていただいたかをお話ししたいと思います。

 

もともと『えんとつ町のプペル』という物語は、声をあげて日本中から迫害を受けた僕の挑戦が下地になっている、すごく個人的な物語なんです。

ただ、僕は自分を特別な人間だとは思っていなくて、きっと、この世界のどこかには僕と同じ目に遭った人や、今現在、遭っている人がいると思ったんです。

であれば、僕に刺さる物語を書けば、僕に響く応援歌を書けば、その人に届くハズと考えて、世の中の流行りとかは一切無視して、全力で超個人的な物語と書いてみました。
それが『えんとつ町のプペル』です。

 

蓋を開けてみたら、世の中には(圧倒的に少数派ではありますが)僕と同じように、声をあげて笑われて、行動して叩かれた人がいて、それでも「負けるもんか」と希望を捨てずに挑戦を続けている人がいて、そういった方々に支持されて、絵本『えんとつ町のプペル』は50万部のヒットに恵まれました。

 
で、「そのままの勢いで映画!」という感じだったのですが、ここに来て、新型コロナウイルスが世界を襲いました。

100年に1度のウイルスによって、いろんな未来が潰されて、世界からは、夢や希望の類が全てなくなってしまって、もう誰も上を見れなくなってしまった。

それが奇しくも、黒い煙で覆われて、見上げることを知らない「えんとつ町」の状況と重なって…

そのあたりから、もともとは超個人的な話だった『えんとつ町のプペル』という作品が、別の意味を持ち始めてきたんです。

 

『えんとつ町のプペル』は見上げることを知らない町で、見上げる少年の物語です。
おそらく、いろんな人が、今年の自分を重ねて観ちゃうと思うんです。

僕もそうです。

僕は「それでも今年公開する!」って決めたんです。
「コロナで大変な時に、やる」と決めた。
すると、いろんな人から「無理だ」って言われたんですね。

すでに多くのファンを抱えている「鬼滅の刃」と「ポケモン」と少し先ですが「エヴァンゲリオン」は別枠で、それ以外の、それこそ僕らのような「絵本の映画化」という弱小チームには「今年は無理だ」という言葉が毎日飛んでくるんです。
「去年だったら、良かったのに」とか。

 
きっと、今、皆、こんな感じなんだと思います。

周りからも言われるし、もしかすると、「もうダメかもしれない」と思っちゃった人もいると思います。
そういう人たちが映画『えんとつ町のプペル』を観に来られる。

 
そこで、何を見せるかは非常に重要だと思っていて、劇中、「星なんてあるわけがない」「目を覚ませ」と言う町の人達に向かって、煙突掃除屋の少年のルビッチが勇気を振り絞って言い返すシーンがあるんですね。

その時のルビッチのセリフが、

 
「誰か見たのかよ。あの煙の向こう側を誰か見たのかよ。誰も見てないだろ? だったら、まだ分かんないじゃないか!」

という叫びなんですけど、このセリフには絶対に説得力が無いといけない。

なので、「ただ声のイメージが合う」というだけで声優さんを選ぶのではなくて、我慢していたものが爆発した時に、本当にそういうことを言いそうな人……つまり「ルビッチのような人」に声をお願いしようと思って、芦田愛菜さんにお声がけさせていただきました。

 

ゴミ人間・プペルも全く同じ理由です。

窪田さんのインタビューとか、あとはバラエティー番組の時の立ち振る舞いとかを見させてもらうと、やっぱり、圧倒的に優しくて、ピュアなんですね。

人を傷つける気配が1ミリも無い。

もちろんファンタジーなので演じなきゃいけないのですが、しかしながら、プペルなんて、演じすぎると嘘くさくなっちゃいそうじゃないですか?

ただ、今回の、この状況で公開されて、しかもある種の「後押ししてくれる感」を期待されている作品に、嘘があっちゃダメだと思うんです。
なので、「プペルのような人」を選ばせていただきました。

 

何度でも言いますが、このお二人で絶対に間違いないです
今、僕がお話ししたことが全て、「たしかにな」となると思います。




 

主演のお二人の声を聞いた皆様の感想をお聞きしたいので、本予告を見たあとは、是非、本予告のリンクを貼った上で、「♯えんとつ町のプペル」を入れて感想を呟いてください。

必ず全員の感想を読まさせていただきますし、時々、リツイートもさせていただきます。

 



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2020年12月25日公開!
映画『えんとつ町のプペル』

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