毎日いろんな人に会わせていただくのですが、仕事が上手く行っていない人(上手く行かない人)に共通するのは「一発逆転のアイデアに期待する」ということです。


ここに陥ってしまう原因は、すごくよく分かるんです。

メディアで紹介される成功者のエピソードって、「一発逆転のアイデア」ばかりなので、「自分も一発逆転のアイデアさえ手に入れれば上手くいく」と思ってしまう。

 

ただ、そんな甘い話があるわけがなくて、そもそも「一発逆転のアイデアしかエピソードにならない」という前提を忘れちゃいけません。


「振り子打法」を思いついたエピソードは読み物として成立しますが、「素振り」を1000回するだけのエピソードは面白くも何ともないので、読み物にならない。

「昨日は素振りを1000回しました。今日は素振りを1000回しました。明日も素振りを1000回します」というブログは、誰も読まないんですね。そんなYouTubeは誰も見ない。

なので、「面白味のない努力」はメディアで報じられることがない。

なので、メディアで報じられる成功者は「面白味のない努力をしていない人」になる。

 

でも、そんなわけないんです。

打ち方を知ったところで、打つ筋肉が付いていないと、打てない。

僕は今、この国を牽引している各業界のトップランナーさん達と仲良くさせてもらっていますが、彼らは総じて、何の面白味もない努力を誰よりも繰り返しています。


そんな姿を近くで見ているし、僕自身、「誰よりも努力しています」と胸を張って言える状態にしているので、なので、「一発逆転のアイデア」に期待している人に対しては、「逃げるな」と思っちゃう。

 

僕は、この3日間ほど、映画「えんとつ町のプペル」の台本と暑中見舞いハガキにサイン入れをしていました。


いずれも、映画のペアチケットが付いているもので、いってしまえば、一人でも多くの方に映画館に足を運んでもらう為の「販促活動」です。

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仕事の合間をぬって、3日で3500冊にサインを入れたのですが、今日はこういう趣旨だから、この部分を切り取って話していますが、ここは通常、メディアでは報じられない部分です。


サイン入れをしているところを撮影しても、1時間経とうが、2時間経とうが、3時間経とうが、絵面が全く変わらないので、面白くも何ともない。

でも、3500冊に、それぞれペアチケットが付いているので、これだけで7000人の方に映画「えんとつ町のプペル」が届くわけじゃないですか?


目標の観客動員数が100万人とか1000万人とかだと、たかが「7000人」かもしれませんが、されど「7000人」で、この「7000人」から口コミが始まるわけで、そう考えると大きな大きな力です。

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努力にアイデアを掛け合わせるか、努力から逃げた「ゼロの状態」にアイデアを掛け合わせるかでは、結果は大きく違ってきて、そのことを今一度、思い知っていただきたくて、今回は努力をひけらかしてみました。


ちなみに、「3日で3500冊にサインを入れた」と言っていますが、家に帰ったら帰ったで、絵本20〜30冊にサインを入れて、梱包して、郵便ポストに投函しています。これは、ここ3〜4年間ほど毎日やっている作業です。

 


ちなみにこれは、いわゆる「仕事の空き時間にやっている作業」で、僕の仕事は、これとは別にあります。

だいたい、1日15時間から、長い時で20時間ぐらい働いています。

「アイデア」や「才能」が逆立ちしても歯が立たないほどの努力をしています(笑)

 

「アイデアなんてクソくらえ」という話をしているわけではなくて、アイデアは絶対に必要だし、誤まった努力をしない為の知識も絶対に必要なんだけども、それは「努力をしなくてもいい」ということではないです。


貴方がまだ何者にもなれていないのであれば、守りたいものがあるのであれば、「一発逆転のアイデア」なんかに期待せずに、すみやかに、血が吹き出る程の努力をしてください。

 

それを選ばないと何も変わらない。

応援しています。

 


西野亮廣(キングコング)



 


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