一昨日、オンラインサロンのコメント欄に、寺田憲治さんからの質問をいただきましたので、お答えしたいと思います。

(※一応、口外禁止がルールのサロン内の投稿なので、質問内容を要約しますね)


「西野さんは、繋がりを見越してから作り出すのか、アイデアを出してから繋げているのか、どっちですか?」


めちゃくちゃイイ質問ですね。
寺田さんがおっしゃっている「繋がり」というのは、おそらく僕のビジネスのことを指しているのだと思います。


僕は現在、本当にたくさんのプロジェクトを同時に進めていて、時にそのプロジェクト同士が掛け合わさることがあるんですね。

 


たとえば、今、僕が手がけている仕事の多くは絵本が起点になっていることが多いです。
VRにしたって、ミュージカルにしたって、美術館にしたって、スナックにしたって…あれやこれや。

一見、2次利用のように見えますが、たとえば「えんとつ町のプペルVR」は想像できますが、「はらぺこあおむしVR」って成立させるの難しそうじゃないですか?
はらぺこあうむしの世界は、背景が真っ白なんで(笑)


ミュージカル「ノンタンといっしょ」を成立させるのも難しそうですよね。



この時、「西野は2次利用を見越して作品を作っていたのか?」という疑問が発生する。


だとしたら、西野の絵本は「買われること」よりも、「一人でも多くの人に読まれること」の方が大切っぽいですよね。


「なるほど、だから今、Instagramで絵本を全ページ無料で読めるようにしているのか」となりそうですが……いやいや、Instagramに公開するのって、「そもそも西野の絵本が正方形だった」がかなりプラスに働いている。


ここで「いつかInstagramに無料公開することを見越していたのか?」という疑問が発生します。


 

【キンコン西野のInstagram】

https://www.instagram.com/japanesehandsome/?hl=ja



今、僕のYouTubeチャンネルの画面には10分間QRコードが出ていて、それを読み取ると、絵本の無料公開のインスタグラムに飛ぶようになっています。

 
こうすることで、そもそも絵本に興味がない人に「絵本の無料公開」を知っていただけるわけですが……


でもでも、落ち着いて考えてみると、「QRコードを10分間出し続ける」って、僕のYouTubeチャンネルが「ラジオ」で……
つまり、「画面が空いていたから」できるわけで、普通にYouTubeで動画を配信していたら、そんなことはできなかったですよね?

 
ここで、「いつかQRコードを貼り付けることを見越して、『ラジオ』という方法を選んだのか?」という疑問が発生する。



いやいや…「その前に、ちょっと待て」と。
そもそも西野はYouTubeなんて配信していなくて、西野が配信しているYouTubeは、音声メディア「Voicy」のコピペです。

「あれ? それも見越して、Voicyを始めたのか?」という疑問が発生する。


https://voicy.jp/channel/941/90627

 

 




ザッと喋りましたが、これ、「思いつきで始めたものを後から繋げた」にしては綺麗すぎますよね?


どうやら「最初から見越していた」っぽい(笑)。


そこで、寺田さんの「西野さんは、繋がりを見越してから作り出すのか、アイデアを出してから繋げているのか、どっちですか?」という疑問に行き着くと思うのですが、結論申し上げると、「両方」なんです。


繋がりを見越してから作り出しているし、アイデアを出してから繋げているんです。


「連結できる余白を残して作る」と表現するのが正しいのかもしれません。


これ、ビジネスだけじゃなくて、絵本もまったく同じ作り方をしていて…
おそらく長期連載の漫画なんかも、この作り方をしていると思うんですけども、大前提として、自分が割いた時間・労力が積み重なっていかないと「弱い」んです。


「一話完結」的な仕事をしてしまうと、一話勝負の話になってくる。
そうすると、その時代その時代の才能に勝つこともあれば、負けることも出てくる。

特に、老いてしまうと負けることの方が増えてくる。



でも、たとえば漫画「ワンピース」みたいに、「6年前のあの出来事は、この為のフリだったのかよ!」みたいな技の前には、昨日、デビューした漫画家は勝てないですよね。


その時の「ワンピース」の最大武器は、「作者のセンス」じゃなく、て「読者と共に過ごした時間」なので、新人天才漫画家がセンスで挑んだところで歯が立たない。



僕はよくオンラインサロンの中で「時間を味方につけろ」と言っているのですが、作品であろうが、ビジネスであろうが、「時間」を味方につけなきゃいけないんです。

費やした時間が積み重なるように設計しないと、必ず負ける日が来るんで。

逆に言うと、費やした時間が積み重なるように設計しておけば、時間が経過すればするほど強くなっていく。


そこで、「連結できる余白を残して作る」というのが重要になってくる。



僕は25歳の頃に一生分の絵本のストーリーのプロットを書き終えているのですが、とはいえ、後から思いつくこともあるでしょうから、そこには「連結できる余白」を残しまくっているんです。


たとえば、Instagramにアップした絵本「チックタック ~約束の時計台~」の時計台の前には、線路が走っています。

でも、特に「電車」が関係してくる物語でもないので、線路は無くてもいいのですが、あっても不自然じゃないですよね。


数年後、僕が電車の物語を思いついちゃった時に、この「線路」を上手く物語に絡められたら壮大な伏線回収になりますが、絡められなかったとしても、「うわ〜、チックタックの線路の伏線、全然回収できてねぇじゃん」とは誰も思わない。




ここでいう「線路」みたいな連結部分を、たくさん散りばめておくんです。

ポイントは「回収できないことがあるので、伏線に見えないようにすること」です。



ただ、オンラインサロンメンバーは知っています。


僕は世間の方が思っているより「見越して」作っています(笑)

よく、オンラインサロンの感想で「現在進行形で西野の作業が見れるのが面白い」という声を聞きますが、まさにサロンの中では、「次に、この手を打ちますが、これは伏線で、二年後に、この形で回収しますね」ということを説明しながら作業しています。


なので、「西野が仕掛けてきた〜」と世間が驚いている時も、サロンメンバーさんは「いやいや、これはまだ伏線だから」とニヤニヤとスケベ面していると思います。


基本的には、この調子で、ずっと「オセロ」をやっているような感じで仕事をしています。


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