政治家さんを批評する際は、「能力」と「事情」に分けた方がいいと思っています。

 

「能力」に関しては(「もうちょっとこうやったら、もっと良くなるのにな」と)思うところがありますが、それをココで話してしまうと、その部分だけをメディアに切り取られて、歪曲されてしまうので、ここでは割愛させていただきます。

 

今回は政治家さんの「事情」について。

 

 

日本って、どんな国?

 

今からお話しすることは、ものすご〜く当たり前のことですが、あらためて整理します。

 

政治家は選挙で選ばれます。

選挙で選ばれなかったら、生活して行くことができない生き物です。

 

そして日本は高齢者の国です。

 

【出典】国立社会保障・人口問題研究所

 


国民の3.5人に一人が65歳以上で、くわえて若い世代には「選挙権」すらありませんので、早い話、高齢者層を抑えておけば選挙戦はビックリするぐらい有利です。

言い方を変えると、政治家さんは、65歳以上に気に入られないと高確率で食いっぱぐれてしまいます。

 

今回、緊急事態宣言が延長されて、仕事人はいい加減ブチギレていますが、65歳以上の以上の人達は、そもそも働いておりませんので「コロナ倒産」が増えようが知ったこっちゃねえです。


経済よりも、日本の未来よりも、自分達のような高齢者の健康を優先してくれる政治家さんには「あざす!次も貴方に投票します」です。

(※くれぐれも、高齢者全員がそう思っているわけではありません)

 


今回、テレワークが推奨されている中、「ハンコを押すために出勤しなくちゃいけない」という地獄的な問題が起こり、「いいかげん、ハンコ文化を無くして、電子契約にしろよ!」という声が上がりましたが、高齢者の方からすると、そもそも会社に勤めていないのに、慣れ親しんだハンコを捨てて、今から『電子決済』なる超サイバー技術を身につけるなんて絶対にイヤです。

そんなことを推奨する政治家には投票しません。

「ハンコ万歳!」なんです。

日本のIT担当大臣がIT音痴の大お爺ちゃん(まもなく80歳)で、「ハンコを守る会」の会長であっても、何ら問題ないんです。

 


この調子で、日本は「シルバー民主主義」と呼ばれています。

高齢者を優遇するばかり、必要な改革が阻止されてしまう「ご老人の、ご老人による、ご老人の為の政治」です。

 

 


今回のコロナちゃんの対応に関して、多くの方が日本の政治家さんに失望されたと思いますが、彼ら(政治家さん)にも生活があって、守らなきゃいけない家族がいます。


家族を守る為には高齢者に気に入られなければなりません。


それが政治家として「正しいか? 間違っているか?」という問題はさておき、一人の人間として「自分の生活(我が子のミルク代)を優先してしまう気持ち」は理解できます。


 

 

じゃあ、どうするの?

 

全ての責任を政治家さんに押し付けるのではなくて(とは言え、頑張ってね)、これは政治を取り巻く「環境問題」(システムの問題だから個人を責めても解決しない)として見た方がいいなぁと思っていて、僕たち現役世代は「この環境の中でどう生きるか?」を考え、秒速で行動した方が良さそうです。


 

極めて近い未来、日本で起きるのは「コロナ×天災」です。

直近で起きてしまうと、(感染のリスクがあるので)これまでのような「避難所生活」はできません。

そして今の政治が、これに対して秒速で対応できないことは僕たち国民はもう知っています。

 

ここで指をくわえて待ち、その日がきて、案の定、パニックが起きたら、それは僕らの責任です。

だって、政治が後手後手の対応するとこが分かっていたのに、何も行動を起こさなかったのだから。

その時、政治家さんに対して「ちゃんとやれよ!」と怒るのは少々お門違いです。

 

政治家さんはスピード感を持って動けないことが確定しているのだから、有事の際の備えは自分達でやっておくべきで、オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」では、すでに「コロナ×天災」の対策は済ませております。

 

「サロンメンバーは一人残らず助けます」と言うと、世間からは「盛りすぎだろ!」と突っ込まれるのですが、せいぜい5万5000人なので、それほど難易度は高くないです。


こういうことをしていると、よく「政治家になって」と頼まれるのですが、嫌です。

絶対にイヤ。ほんとにヤダ。

 

僕はエンターテイメントに時間を割きたいし、今の方が人を助けられるので。

今の時代に合ったシステムをゼロから自分で作って、一人残らず助けます。


と同時に、コロナ対策にあたられている政治家さん、医療従事者の皆様、すべての関係者の方を応援しています。


 

じゃあねー。



西野亮廣(キングコング)




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