(※こちらの記事は4月14日放送のVoicyを文字起こししたものです)


毎度お騒がせしております。キングコング西野です。


国によって違うのですが、少なくとも日本においては、失業者と自殺者の数には相関関係があるみたいで、まずは、ここを食い止めなきゃいけないなぁと思っています。

僕は国を守るような大それたことはできませんが、ただ、身の回りの人を守るだけの体力と影響力は持ち合わせているので、まずは自分がやれることからやろうと思って、現在46000人になるオンラインサロンメンバーの中から「雇用」を生み出す働きを3日前からスタートさせました。

 

→西野亮廣エンタメ研究所 【求人部】

※サロンメンバー限定コンテンツです


うちのオンラインサロンには経営者さんも多く、多分、2万人ぐらいいると思います。

4日前。

その経営者さん達に向けて、「ちなみに、サロンメンバーを雇いたい人っています?」と投げたところ、ものの10分程度で100件ぐらい手が上がって、それをみて、「仕事が無い訳ではなくて、仕事のマッチングがスムーズにいっていないのだ」とか確信し、1日でシステムを作ってみました。


サロンメンバーの会社で働きたいサロンメンバーと、サロンメンバーを雇いたいサロンメンバーの会社のマッチングサイトです。


立ち上げ時に、まずは今日から1ヶ月以内に100人以上の雇用を作る」と宣言し、あれから3日が経ったのですが、この3日で、36名の「雇用」が決まりました。


約束どおり、1ヶ月以内に100人以上の雇用を生みたいと思います。

 



今、僕らのチームは、絵本3作と、映画一本と、ブロードウェイミュージカルと、新作のVR

の制作をバッキバキに進めているのですが、当然、自分達のことばっかりしている場合じゃないので、ここ2週間は、仕事の合間を見つけては、新型コロナウイルスの対策…具体的にはサロンマンバーの会社やお店の応援や、雇用の創出などに当たっています。

 

「こうすれば当面のキャッシュは確保できる!」とか、「こうすれば、仕事を作れる」とか、なんか、複雑すぎる知恵の輪を解くような毎日なのですが、新型コロナウイルスというものと向き合えば向き合うほど、神様のようなものと対峙している感覚に陥ってきます。

「今、僕は、新型コロナウイルスから何を問われているんだろう? 何を突きつけられているんだろう?」と考えてしまいます。

 

もちろん、当面のキャッシュを調達したところで、その場しのぎでしか無いことは分かっています。

ただ、その他の施策を打った時も、「そういうことじゃねぇから」と言われているような気がして、どうやら今回は、もっともっと大きなテーマなんだろうなぁということを思っていました。

 


あれやこれやとやるうちに、ここ数日で、新型コロナウイルスからのメッセージがなんとなく聞き取れるようになったのですが、結論申し上げますと、きっと僕らはもっと人を信頼しろ」と言われているのだと思います。

 

今回の感染症の流行はグローバル化によるものだと一部で言われています。

つまり、「交通の便が良くなって、人類が地球上を移動するようになったから、ウイルスが出回った」と。

しかし、7500万人〜2億人もの命を奪ったペストが流行したのは14世紀。

当時は、飛行機もクルーズ船もありません。

今みたいに、カジュアルに移動することなどできなかったのです。

 

グローバル化が進んで移動がカジュアルになり、病原体を配達しやすくなったのにも関わらず近代、それほどの被害を生んでいない背景には、情報の共有があって、情報の共有によって、病原体を発見するスピードが上がり、適切な対応を取れるようになったわけですね。


ここでは、「情報の共有」が人類を救っています。

 

昨日、オンラインサロンの方に、この話とは全く別軸で、少し先の未来の話を書いたんですね。

「まず、間違いなく、二年後には、僕らは○○を求めるようになる。そこに新しいビジネスが埋まっている」といった内容です。

 

その説明をする時に、人間を「オールドタイプ」と「ニュータイプ」に分けたのですが、「オールドタイプ」と「ニュータイプ」の思想の違いは、「所有」か「共有」か、です。

 

オールドタイプの人はとにかく所有したがるんです。

車にしても、家にしても、別荘にしても。情報にしたって、自分の頭に詰め込みたがる。

一方、ニュータイプは共有します。

車も、家も。情報にしたって、皆でGoogleに集めて、そこから必要な情報を引き出せばいいじゃんという発想です。

 

これ、くれぐれも「オールドタイプ」がダメと言っているわけじゃ無いですよ。

それぞれのタイプの話をしているだけです。

 

今回のコロナ騒動で、トイレットペーパーや食料を買いだめた人というのは、オールドタイプの人で、やっぱり、自分の家に置いておきたかったんですね。


ニュータイプの人は、「無理に手に入れなくても、誰かが持っているから、借りればいい」という考えで、そのかわり、「誰かと繋がっていること」を重視するんですね。

 

トイレットペーパーを取りに行くか、トイレットペーパーを持っている誰かとのつながりを取りに行くか?です。


生き延び方として、どっちも正しいと思います。

 


ただ、一つ言えることは、トイレットペーパーを取りに言った人は、自己完結というか、自分の身を守るのは自分で、助けてもらうことを想定していない。

悪くいうと、助けてくれる人の存在を信じていない。

 


今回の問題は、ここだと思いました。

 


皆、分かっているんですよ。

「せ〜の」で、全員が2週間チョイ外出をやめたら、こんなウイルス、いとも簡単に潰せることを。

でも、それができない。


生活していかなくちゃいけないからです。

自分の店を守らなくちゃいけないからです。

 

それって、自分の店を守る人が自分しかいないからじゃないですか?


極論、たとえば、飲食店を経営している田中さんの店の家賃を、田中さんの生活費を、このコロナ期間中は、キングコング西野が負担します。とすれば、田中さんは、心おきなく店を休めるわけです。

 

ところが、なんとなく僕らは、家族を養うことはしても、社員を養うことはしても、それ以外の繋がりに関しては「各自、自己責任で」と、ここで線を引いてしまっている。

「会社」なんていう仕組みが生まれたのは、ここ数年の話で、人類の歴史で見たら、ただの流行りですよ。


 

「助かりたければ、分断するな。もっと繋がれ、もっと信頼しろ」


そう言われている気がして、こんなことを誰かに期待したところで始まらないから、今、自分ができるとことから率先して、やっています。


僕は今、オンラインで十二分に働ける状態にあるから、この期間は西野が働いて、西野が稼いで、その稼ぎを皆でシャアしよう、という。


10年後は僕が助けてもらうことになるかもしれないから、その時は、迷わず助けてもらう。


そうして、家族や会社単位で分断するのではなく、身の回りの人すべてを信頼し、繋がっていかないと、今回の相手は倒せない気がしています。

 

「お前ら、いい加減に気づけよ」と言われているのだと思います。

 




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