エンターテイメントを生業にしている人間が「お金」の話をすると、すぐに『銭ゲバ』扱いが始まります。
アンチが率先して旗を振っているわけではなく、同業者からも「お前は金の為にやっているのかよ」と言われたりします。 
俗に言う「清貧主義」。

ちなみに、『清貧』という言葉を辞書でひくと、無理に富を求めようとはせず、行いが清らかで貧しい生活に安んじていることと出てきます。

大前提として「行いは正しく、清らかだけども…」があるのですが、お金の問題と正面から向き合うクリエイターを叩く人間の行いが、清く正しいものだとは僕は思えません。

それは、あまりにも無知で、
それは、あまりにも無責任です。

仕事というのは一人でやっているものではなく、そこには仲間達がいて、その仲間達にはそれぞれ食われていかなきゃいけない家族がいたりします。
『お金の問題』から目を背けると、彼らの夢や、彼らの家族を守ることができません。
もちろん、自分の夢も守ることができません。

義務教育と同時に始まる「誤った清貧」の洗脳されている多くの日本人は、「お金を稼ぐ=六本木でウェーイ」と翻訳してしまいます。

「教育のカリキュラムに入っていないから」という理由で、経済の勉強から逃げ、子供達に『お金』の話を教えようとせず、「稼ぐ=汚い」という人間を量産し続けている学校の先生方にも重い責任があると思います。
ちなみに、その先生方のお給料は、お金を稼いだ国民が払っています。


昨日、ウチの会社の新入社員による『株式会社NISHINO 活動報告会』というイベントがありました。

新型コロナウイルスの影響で「中止」という選択肢もありましたが、これは新入社員の学びの機会でもあるので「チケット代は全額返金して、無観客イベントを配信しろ」と伝え、「ただし、お金の流れを止めるな」と宿題を出しました。

「無観客イベントをやるならやるで、無観客イベントなりの収益を新たに設計しろ」というお題です。

そこには、携わってくださるスタッフさんおよび、スタッフさんの御家族の生活があるからです。

結果、彼らは「無観客イベントだから売れるもの」を探しだし、それをクラウドファンディングのリターンにして、販売しました。

その売上で、劇場のレンタル代を払い、技術スタッフさんのギャランティーを支払いました。
たくさんの夢と、たくさんの生活を守りました。

ちなみに、クラウドファンディングは、今なお、多くの日本人(誤った清貧主義者)が『銭ゲバの選択肢の一つ』として捉えています。

当然、その方々は、こういった「守り方」をすることができません。
自分達が否定している選択肢を選ぶことはできません。
結果、新型コロナウイルスの波に飲まれてしまう人を生んでしまうでしょう。
夢を諦めざるをえなくなり、場合によっては、家族を守りきれなくなるでしょう。


まもなく、この国には大きな不景気の波がやってきます。

それは、新型コロナウイルスなんて比にならないぐらいの、大きく長く冷たい冷たい波です。
僕らは丘の上に避難しなくてはいけないのですが、丘の上に避難することを向き合う人間を『銭ゲバ』と呼び、否定してしまうのが日本人です。

家族を守らなくちゃいけない、お父さんやお母さん、
子供達の未来を守らなくちゃいけない、学校の先生、
エンターテイメントを守らなくちゃいけない、クリエイターやファンの方々へ、伝えたいことがあります。


おそらく、今回の波は本当に多くのものを飲み込んでしまうでしょう。
このまま『お金の問題』から目を背け続けると、否定し続けると、自分が守りたいものが守れなくなる瞬間が必ずやってきます。おそらく1年後。

僕の見立てでは、今回ばっかりは逃げきることができません。
どうか『お金の問題』と正しく向き合い、学び、
津波がきたら、守るべきものを抱え、正しく逃げてください。

僕がお手伝いできることであれば、いくらでも、お手伝いします。


キングコング西野亮廣




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ニッポン放送開局65周年記念公演
 
◆脚本・演出:上田 誠(ヨーロッパ企画)

◆キャスト:西野亮廣 戸塚純貴 鈴木絢音(乃木坂46) 今井隆文
石田剛太(ヨーロッパ企画) 諏訪 雅(ヨーロッパ企画) 土佐和成(ヨーロッパ企画)
町田マリー 市川しんぺー 小島 聖


【東京公演】4月9日~19日 
SOLD OUT

【名古屋公演】4月22日(水)

【高知公演】4月25日(土)

【広島公演】4月28日(火)

【大阪公演】5月2日~3日(土・日)




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