楽天ブックスのランキングを見たら、『えんとつ町のプペル』が1位になっていました。


発売から3年が経っているのに、ここにランクインしていることが嬉しいし、地味に、今の『アナ雪2』に勝っていることも嬉しいです。

それより何より、このランキングで最も目がいくの、『しろくまちゃんのほっとけーき』です。
この作品が世に出たのは1972年。
かれこれ50年近く人気です。バケモノかよ。

絵本が面白いのは、「『読者』と『購入者』が違う」という点で、絵本の『購入者』は、自分が子供の頃に読んでもらって面白かった絵本を、自分の子供に買う傾向があります。

なので、本屋さんに行っても、いまだに数十年前の絵本が平置きされていて、毎年どれだけ新作が出ようが、人気ランキングの上位の顔ぶれは変わりません。
2019年の週間売り上げ上位ランキングの常連の『はらぺこあおむし』が世に出たのは1969年です。
現在の読者ではなく、20年前の読者が買う『絵本』というものは、その構造上、基本的には若手作家がつけ入る隙は無く、僕自身、広告(モノを売る)に関しては、比較的得意な方だとは思うのですが、絵本を売るのはとってもとっても難しいと実感しております。

人気タレントが戦略を持たずに出版して売れるモノではありません。
調べてもらったら分かると思うのですが、タレントが出す絵本は軒並み爆死しています。

ただ、「業界の構造上、若手作家の絵本は売れないから」という言い訳をしたところで何も始まらないので、僕らは業界の隙を探して、一気に畳み掛けるしかありません。
2017年1月に仕掛けた『えんとつ町のプペル』の無料公開は、その一つですね。


『えんとつ町のプペル』を届ける為に仕掛けた戦略の数は2ケタではきかないと思います。
今も様々な方法を試し続けています。

絵本を売るのはとてもとても大変ですが、構造上、軌道に乗せてしまえば(一世代売り続けることができれば)、とても強いです。
「絵本は市場が小さい」と言われますが、ロングセラーとなった絵本の市場は、毎年、地球上に子供が生まれる度に拡がっていくので、うまくやれば全然小さくありません。

僕が参加しているエンタメ戦争は1~2年で決着がつくものではなく、半世紀後も戦地にいなければなりません。
そう考えた時に、『絵本』という「一定期間売れ続けたら死なないメディア」を活動の柱にして、そこから、映画や舞台や音楽などに横展開していった方がいいんじゃねぇかなぁと思ったりしています。

もう少し踏み込んだ話はオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』で話すとして、今日のまとめとしては、「皆、絵本というメディアを安く見積もってるけど、全然そんなことねぇよ」です。

それでは、また。


【追伸】
『天才万博2019』3日目は、『えんとつ町のプペル』の主題歌を歌うロザリーナが登場します。
お楽しみに。



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