企画の立ち上げから8年
それは、嬉しさ、痛みも、たくさんたくさん背負った時間でした。

機会があれば、またどこかでお話ししますが、この間に、僕は大切なスタッフを失くしています。
昨日の発表を心待ちしていた一人です。

「僕がもっと頑張って、今よりも、もっともっと速いスピードで走っていれば、昨日の発表を一緒に喜ぶことができた」という後悔は、一生消えることはないでしょう。

準備に随分時間がかかってしまいました。
しかし、その間に、たくさんの仲間ができました。
8年前には、とても想像できなかったほどの力強い仲間が。

映画『えんとつ町のプペル』は、まさにこの8年間のような物語で、一人で始めた挑戦が、最後には皆の挑戦へと成長します。

自分と重なる部分があまりにも多すぎて、この作品を発表した後(搾りきった後)の身のフリ方が今はまだ見えていません。
脱け殻のようになるのかもしれません。

たくさん惨めな思いもしましたし、
痛みを大切な仲間に共有してしまいました。

映画公開後のことは分かりませんが、「エンタメで世界を獲る」というのは、仲間や、亡くなったスタッフとの約束なので、今回の一撃で仕留めます。
ここから映画公開までの1年は、二度と後悔することがないように、1秒も取りこぼさずに生きていきたいと思います。

『えんとつ町のプペル』は、今はもう僕一人の作品ではなく、たくさんの人の想いが乗った作品です。
そのことを、あらためて思わせてくれた文章を最後に紹介して終わりたいと思います。

お互い頑張りましょう。



最初はたった一人の男が頭の中で考えただけのことだった。
 
それがいつの間にか多くの人を巻き込みお金を動かし、これだけのプロジェクトになった。
 
ついに大きなバックアップを受け、世界に挑戦する権利を彼は獲得した。
 
数年前まで日本中からバッシングを受けていた男が、だ。
 
その事実だけで胸に来るものがある。


彼は作品を作るにあたり「感情のN字曲線を描け」と言うけれど、思えば彼の人生がN字そのもの。
 
そのN字の谷間は過酷すぎるほど深く、しかも創作された物語のようにハッピーエンドが待っている保証はどこにもない。
  
いつ終わるともわからない、N字の谷底を手探りで歩む日々をどんな思いで過ごしたのか。
 
常人なら間違いなく心が折れてしまうだろう重圧の中、彼は創作の手を休めず、ただひたすら自分の可能性を信じて歩き続けた。
   
そしてようやく長かった谷に光が当たり始め、N字の登り坂に差し掛かってきた。
 
あれほど強く吹いていた向かい風はいつの間にか追い風となり背中を押す頼もしい味方になった。
  
これまで何度も予想を超える驚きや喜びをプレゼントしてくれた彼のことだ。
 
まだ頂点までの距離はあるけれど、きっとハッピーエンドを見せてくれる気がする。



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