舞台や映画や新作絵本など、今、制作物がビックリするぐらい重なっていて、昨日は、朝からド深夜まで打ち合わせ。


途中、2時間ほど打ち合わせを抜け出して、特番の収録で汐留の日本テレビさんへ。
そういえば日本テレビさんに行ったのは、何年ぶりだろう?
タレント楽屋の階数も、トイレの場所も、すっかり忘れていました。
「西野さんのマネージャーになって、はじめて日本テレビに来ました」と須藤マネージャー。

毎日アッチコッチ走り回って(※明日から一週間ほどスリランカ)、気がつくと「テレビに出るのは月に1~2度」という生活に。
昔はこの状況になるのが怖くて、とにかく露出しておきたくて、露出していないと存在価値が無いとさえ思っていたほど。

ところが今は(強がりでも何でもなく)露出に対する不安や焦燥感など1ミリも無くて、それは僕だけでなく、マネージャー陣も「西野を露出させよう」とは1ミリも考えていません。

そう考えると、その時々の自分が参加しているゲームというのは、あくまで“たくさんあるうちの選択肢の一つ”でしかなくて、そのとき強く信じている「○○でなければならない」というルール・道徳なんて、立ち位置が変わればいとも簡単に変更されてしまうもんだなぁと、あらためて思いました。

僕らはこういったことを学校から社会に出た時に経験します。
学生時代は「教室」や「学校」が世界の全てのように見えてしまっていて、怖い先輩から体育館裏に呼び出しをくらった時などは「世界の終わり」のような心境に陥ったものです。

社会に出てしまえば「嫌だったら学校に行かなくていいじゃん。学校に行かなくても、なんとかなるよ」と思えるのですが、どっこい、学生時代は、そう思えませんでした。

学生から社会に出る瞬間に世界は拡張するのですが、社会に出てからは、なかなかその経験をすることはありません。
学生の場合は「卒業」があるので、半ば強制的に世界は拡張し、一気に選択肢が増えるのですが、一度会社(僕の場合だと芸能界)に勤めてしまうと、そこが世界の全てだと信じこんでしまい、今度は「卒業」なんてものがありませんので、自ら行動を起こさないかぎり、自分が今いる場所が世界の片隅だということを知ることができません。

べつに、この文章を読んでくださっている“あなた”に対して、ここで「もっと外の世界を知ろうよ!」と呼び掛けるつもりはありませんが、もしも、今いる環境(ルール)に上手く馴染めていないのであれば、どうか、今の“あなた”がいる場所は学生時代の「教室」ぐらい、たくさんある世界のうちの本当に極一部の小さな小さな集落だといことを知って欲しいです。

その時、今抱えている大きな悩みが、いかに些細なものなのかを知ると思います。

小学校なら6年、中学校なら3年で最終回がきて、その都度都度、世界が拡がるあのシステムは結構いいなぁと思っておりまして、あの(時間がくれば必ず最終回がやってくる)システムに習って、僕は、毎年1つは仕事を辞めるようにしています。

そうすることで毎年世界が拡がって、毎年「去年の僕は、なんであんなクダラナイことで悩んでいたんだ」と思っています。
「会社に勤める」ということは、基本的には、「強制的に世界が拡がる経験を失っている」と考え、人生を設計していった方がいいんじゃねぇかなぁと思っております。

今日も頑張ってね。
僕も頑張ります。





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