ずいぶん長い間、ニウエにいます。
もちろん、それなりの成果をあげて帰国するつもりです。
今日のオンラインサロンは、メンバーの皆様に、そこそこ面白がってもらえそうな記事を書きました。ニウエでの活動に関するアレコレです。

ニウエはしっかりと電波は飛んでいるのですが、放送地域の関係で観れない番組もあって、間接的にしか入ってこない日本の情報も少なくありません。
一昨日、Twitterのタイムラインをひらいたら、「お前が梶原を追い込んだんだ!」という批判が、たくさん届いていて、何事かと思ったら、どうやら梶原君が『しくじり先生』という番組に出て、失踪した当時の話をしたそうです。

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これまで、テレビでガッツリと時間を割いてあの当時の話をしたことがないので、梶原君も梶原君なりにたくさん考えて、自分と同じような目に遭ってしまう人のことを想い、覚悟を持って、出演を決めたのだと思います。

あれは、一人の人間が精神的に壊れてしまって、下手をすれば命を絶ってもおかしくなかった程の日々で、「サクセスストーリー」と呼ぶにはあまりにも地獄すぎる日々でした。

『しくじり先生』で梶原君が話した内容に少し補足をすると、何日間も寝れないキングコングのスケジュールを終え、梶原君が寝た後に、僕にはキングコングの新ネタを書く(漫才を月6本、ショートコントを月20本)仕事が残っていて、その作業は、個人的にはキングコングとして出演する仕事よりも何倍も大変で、心のどこかで「僕がこれだけ頑張っているのだから、僕より休んでいる梶原は、まだ大丈夫だろう」という気持ちがあったのかもしれません。

ただ、当たり前ですが、「働いている時間が短いから大丈夫」なんてことがあるハズがなく、結果、梶原君の精神が壊れてしまいました。
Twitterのタイムラインにたくさん届いた「お前が梶原を追い込んだんだ!」という批判は、あながち間違いでもありません。
僕がもう少し強ければ、助けてやれることができたハズです。


ただ一つ。
この環境を望んだのは梶原君と僕で、べつに辞めようと思えばいつでも辞めれたので、当時の僕らの環境を、世間一般の『ブラック労働』と並べて議論するのはナンセンスで、僕らは今日も、高校卒業したてのニキビ面のペーペーに、あれだけのチャンスをくれた吉本興業やTVに感謝しています。

表現者としてスタートした時の環境が「1日の平均睡眠時間は2時間以下」だったので、いつの間にやら、それが基準となり、働いている時間は今も昔も変わりません。
もちろん働き方は少しは上手くなりましたが。

「才能」を作るのは間違いなく「環境」で、当時は(とくに芸能界は)労働基準法なんて、あって無いようなもので、ずっと眠い目をこすりながら働いていました。
その環境というのは、望んでいる人にとって(あくまで望んでいる人にとって!)は、この上ない成長チャンスで、今の子達が少し不幸なのは、その地獄のような環境を手に入れたくても、手に入らないといったところかもしれません。

僕は今も1日20時間以上は働いていますが、ボケーっと考えている時間が8割で、「ボケーとしているだけっす」で言い切れるので、厚生労働省がメスを入れることはできません。
厚生労働省は脳ミソの中までは入ってこれないわけですね。

僕より年下の(「働きたい」と思っている)人間が、ルール上、僕より働けなくなっているのは不公平だなぁと思ったりしています。
僕らが『働かないといけなかった世代』なら、彼らは『働きたくても働けない世代』といったところでしょうか。

「いやいや、仕事が終わってから圧倒的に『読書』をして“吸収の時間”にあてれば、それは労働としてカウントされないから、いくらでも働けるじゃん!」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、その仕事(吸収)の決定権は『自分』にあって、つまり、「休もうと思えば、いつでも休める」という選択肢が手元にある環境です。

その環境で、何年間も1日20時間以上走り続けるのはなかなか大変で、当時の自分が恵まれていたことを実感します。


気がつけば僕も立派なオジサンで、自分の仕事をやりつつ、後輩を育てる立場になっていました。


「今は『働けない時代』だから諦めて」というつもりなど毛頭無くて、もちろん労働基準法に引っ掛かるような働き方をさせることはできませんが、とはいえ彼らを成長させるのは「環境」であることは間違いないので、『労働基準法に引っ掛からない形で、彼らが四六時中向き合いたくなるようなお題』を出し続けるが、僕の目下の課題です。


3ヶ月で、エンタメの最前線で戦える人間になってもらいます(*^^*)
20歳の頃の自分と違って、今度はフォローできます。


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今日は『キンコン西野の新会社』というテーマで書かせていただきました。
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