オンラインサロンの中の内容が不透明すぎるのも怖いと思うので、月に2~3度ほど、オンラインサロン内に投稿している記事をブログにアップしているのですが、今日がその日です。
今日は8月12日にサロン内に投稿した記事『光や音やモノに含まれている“指示”を使え』を無料公開します。

内容に共感いただけたら、記事のシェアをお願いします。

それでは、どうぞ。

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いちいち指示を出すな。「モノに含まれている指示」を利用しろ
2019.8.12(月) 【投稿者】西野亮廣


おはようございます。
ここ最近、積極的に「時代の寵児」感を出しにいっているキングコング西野です。 

さて。

昨日、一昨日と、札幌のオンラインサロンメンバーとの飲み会がありまして、そこで『照明』についての話になったので、こちらでも共有しておきます。

いきなり話が飛びますが、キングコング西野という男は人を熱狂させる(巻き込む)空間を作るのを得意としています。
もともと劇場畑で生まれた人間ですし、仕掛けているイベントの数がケタ外れに多いので、そりゃ得意にもなるだろうよ!



何かの本に書きましたが(革命のファンファーレだっけか?)、ライブの開場時に流れている音楽のボリュームにもイチイチ仕掛けを施していて、開演時間に向けて、お客さんにバレないように少しずつ少しずつ音楽のボリュームを上げていっています。

そうすると、お客さんも自分でも気づかないうちに、少しずつ少しずつ声(会話)のボリュームが上がっていき、開演時には、しっかりと声が出る状態になっています。
前説が出てきて、「かけ声」の練習などで、お客さんに声を出させて、客席を温めなくてもいいわけですね。

結構使える小ワザなので、オススメです。

お客さんの声のボリュームをコントロールする為の一番の方法は、「声を出してくださーい!」「静かにしてくださーい!」といった『注意喚起』ではなく、『空間作り』です。


ここで、ようやく本題に入るのですが……昨日、堀江さんが大樹町でやられているレストラン『蝦夷マルシェ』のスタッフさんからアドバイスを求められました。

アドバイスなんぞできる立場ではありませんが、僕は芸人や絵本作家の傍ら、都内で『Candy』というスナック(住所は非公開。探してみてね)をやらせてもらっていて、やはりここにも『空間作り』のノウハウを詰め込んでいます。


その経験から、タメになりそうな話を一つだけ。
『蝦夷マルシェ』で気になったのは、『照明』です。
くれぐれも「蝦夷マルシェは照明がダメ!」という話をしたいわけではありません。

『蝦夷マルシェ』の照明は白く煌々と光るLEDライトで、店内がとっても明るいんです。
清潔感があって、それはそれで素敵なのですが、他方、「明るい」にはデメリットがいくつかあります。

①店の汚れが目立つ
②酔った顔が目立つ(=人によっては、お酒を呑むペースを控えてしまう)
③お客さんの声のボリュームが大きくなる

この話の流れだと、当然、③が気になると思うので、③についてお話しします。

結論から先に言うと、声のボリュームは光に左右されます。

『明るい』には「大きな声を出してもいいよ」という“指示”が含まれていて、その空間では、人は躊躇わずに大声を出してしまいます。

明るい居酒屋が賑やかな理由は、それですね。

“他人の大声”は、場合によってはノイズになりますので、大切な話をする場には不向きです。

逆に、キャンドルライトが並んでいる空間で、人は大声を出せません。
弱い光には、「静かにしましょうね」という“指示”が含まれているわけですね。
大切な話をする場には、もってこいです。

「『蝦夷マルシェ』を、どの方向に持っていきたいか?」によって答えは違ってきますが、押さえておかなければならないポイントは、「声のボリュームは光に左右される」という点で、もしも『大切な話をする店』にしたいのであれば、明るい照明にしてはいません。
逆に、『皆で賑やかに騒ぐ店』にしたいのであれば、キャンドルライトにしてはいけません。

僕らの声のボリューム(口)は、「BGMのボリューム」という『耳』からの情報と、「光」という『目』からの情報に知らない間にコントロールされているわけですね。

こうなってくると、「どうにかして『鼻』からの情報で、お客さんの声のボリュームをコントロールできないだろうか?」と、ついつい考え始めてしまいます。
「お客さんが大声を出す匂いは何だろう?」と。

見ているモノや、聞いている音に『指示』が含まれているように、匂いにも何かしらの『指示』が含まれていそうです。

そういう実験を繰り返しまくるのが、エンターテイナーのお仕事です(*^^*)
また面白い実験結果が出たら、ここで共有しますね。

現場からは以上でーす。


【投稿者】西野亮廣

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